©2013映画「天心」製作委員会

今年生誕150年、没後100年を迎える岡倉天心（1863～1913）の五浦時代を中心に、横山大観や菱田春草、下村観山、木村武山ら弟子たちとの葛藤、師弟愛を描いた映画『天心』（監督・松村克弥／配給・宣伝：マジックアワー）の先行公開が、10月5日(土)、茨木県のMOVIXつくばを皮切りに始まった。出演は竹中直人（岡倉天心）、中村獅童（横山大観）、平山浩行（菱田春草）ほか。

©2013映画「天心」製作委員会

理想に燃えて設立した東京美術学校（現・東京藝術大学）を追われた天心たちが辿り着いた北茨城の美しい五浦の海と、後に彼がそこに建立した「六角堂」に込めた想い—。本作は、波乱の五浦時代を中心に、傷心の天心が立ち上がってゆく姿や弟子たちとの葛藤・師弟愛を描き、世代を超え、美術・芸術の在り方だけでなく日本の未来までも問いかけようという意欲作だ。2011年の東日本大震災で、主な撮影予定地としていた六角堂が津波により流失するなど予想外のアクシデントに見舞われたが、そのような困難を乗り越えて昨年末に撮影を終了、完成にこぎつけた。（詳細は「ときの人：松村克弥さん」にて）

9月2日の完成披露試写会では、監督や出演陣らによる舞台挨拶が行われた

天心の命日にあたる9月2日(月)には、完成披露試写会が東京藝術大学で開催され、松村監督をはじめ、竹中直人氏、平山浩行氏ら出演陣、主題歌「亜細亜の空」を歌う石井竜也氏らが舞台挨拶で来場。同学長の宮田亮平氏も東京美術学校時代の校長服で登場し、会場をおおいに盛り上げた。

また、様々な連携事業も進行中だ。横浜美術館で開催中の「横山大観展　良き師、良き友」では、天心を演じた竹中直人氏が音声ガイドのナビゲーターを務め、北茨城市歴史民俗資料館（野口雨情記念館）の企画展「天心が想い 大観が描き 雨情が詠んだ ～北茨城の偉人たち～」（12月1日まで）では、 映画『天心』のパネル、衣装展示が行われており、今後の展開にも注目したい。

先行公開は茨城のMOVIXつくば、シネプレックス水戸、イオンシネマ守谷と福島のポレポレいわき（シネプレックス水戸、ポレポレいわきは10月19日より）にて。11月16日よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー。

【関連リンク】

映画『天心』オフィシャルサイト

横浜美術館「横山大観展 良き師、良き友」

北茨城市歴史民俗資料館