大賞に山本誠「4月3日の記憶」 準賞に川原田亜紀子「九十年」
写実絵画の発展と若手作家の育成を目的に発足した「ホキ美術館大賞」の第1回の審査結果が主催者より発表された。
大賞に山本誠氏(岡山県)の「4月3日の記憶」、準賞には川原田亜紀子氏(神奈川県)の「九十年」(30号)がそれぞれ選出された。さらに館長賞が追加され、小木曽誠氏「巡界する刻の中に」(100号)と山崎秋人氏「曲面と空間(リオマッジョーレ教会)」の2点が決まった。
今回のホキ美術館賞には全国から86名116点の作品が第1次の写真審査に寄せられ、69点の作品が運ばれ、最終的に二次審査を通過した入選作は50作家56点となったという。入賞・入選作による第1回ホキ美術館賞展が11月15日からホキ美術館で開かれる。
大賞受賞の山本氏は1973年、岡山県生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。03年雪梁舎フィレンツェ賞展佳作賞、05年日本アートアカデミー賞準グランプリ受賞など受賞歴。山本氏は「制作する上で二つの大きな要素があると思います。一つは生まれてから今日までの見たり、体験したりといった人生経験。二つ目は技術、マチエールの研究です。二つの要素が重なり合うことで対象に迫ったリアルな作品が生まれると考えています」とコメントした。
準賞の川原田氏は1984年、神奈川県生まれ。07年、玉川大学芸術学部ビジュアルアーツ学科油絵専攻卒。11年新宿ACT大賞受賞など。
ホキ美術館大賞を企画した保木将夫氏は「この大賞展では鑑賞絵画とは一線を画し、画家には自由な発想、自由なテーマで描いて頂きたいと考え、そうした観点から選びました。作家の今後に期待したい」と語った。
ホキ美術館大賞展
【会期】 11月15日(金)~2014年5月18日(日)
【会場】 ホキ美術館 (千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15) ☎043-205-1500
【開館】 10時~17時30分 (入館は閉館30分前まで)
【休館】 火曜、祝日のとき翌日、12月29日~2104年1月1日
【料金】 一般1800円 高校生・大学生・65歳以上1300円 中学生900円 小学生以下無料
【関連リンク】 ホキ美術館
「新美術新聞」2013年10月21日号(第1326号) 3面より