明治から昭和の日本彫塑界をリードした彫塑家・朝倉文夫(1883~1964)のアトリエ兼住居であった朝倉彫塑館(台東区谷中)が、4年半に及ぶ保存修復工事を終え、10月29日(火)に再開館した。
朝倉が57年にわたって住み、自らの創作活動と後進の指導の場として使い続けた同館。その建築は本来異質であるはずの西洋建築と日本家屋の要素が違和感無く調和・融合し、「庭」との一体感にまで配慮した独特の空間意匠と造形が追求されている。朝倉の没後、本人の遺志を受けて一般公開されていたが、2008年3月に「旧朝倉文夫氏庭園」として国の名勝に指定されたことを受け、また、築80年ほどが経過し老朽化が進んでいたことから、2009年11月より保存修復工事を開始。朝倉の最晩年にあたる昭和30年代後半当時の建物・庭園の復原を目指して工事が進められていた。
リニューアルオープンを記念して、朝倉個人の蒐集作品を3期に分けて展示。現在は第Ⅰ期「朝倉文夫 交流の書画」が開催中だ。朝倉文夫が隅々までこだわり作り上げた空間を、朝倉の代表作とともにぜひ楽しんでほしい。
朝倉彫塑館 リニューアルオープン記念展示
第Ⅰ期:朝倉文夫 交流の書画
【会期】 10月29日(火)~12月26日(木)
【会場】 朝倉彫塑館(東京都台東区谷中7-18-10)☎03-3821-4549
【開館】 午前10時~午後5時(入館は閉館30分まで)
【休館】 月曜・金曜、祝日のとき翌日
【料金】 一般500円 小・中・高校生250円
【関連リンク】 朝倉彫塑館
「新美術新聞」2013年11月1日号(第1327号)3面より