國華賞に谷口耕生氏、國華奨励賞に濱田瑞美氏
日本及び東洋の美術に関する優れた研究に対して毎年贈られる國華賞の第25回(2013年度)受賞者に2氏が決まり、主催者である國華社・朝日新聞社から発表され、本賞である國華賞に谷口耕生氏(奈良国立博物館学芸部保存修理指導室長)の「倶舎曼荼羅と天平復古」(平成24年10月、林温編『仏教美術論集1 様式論―スタイルとモードの分析』所載、竹林舎)、将来を期待される同奨励賞には濱田瑞美氏(早稲田大学非常勤講師)の『中国石窟美術の研究』(平成24年10月、中央公論美術出版)と決まった。10月24日、贈呈式が朝日新聞社レセプションルームにて行われた。
同賞選衡委員会(河合正朝委員長、千葉市美術館館長)によると、今年度推薦された賞候補作品は単行図書7点、論文5点、図録7点の計19点。今回も論文が少なく、単行図書がそれ以上あった。内容的には、日欧美術交流史や中国仏教彫刻史に関する単行図書が2点。日本美術関係の分野別内訳は古代中世が5点、近世近代が5点。全体として絵画に関する研究が大半を占めたが、彫刻や工芸を扱った分野にも力作が目立ったのが特長だった。
また展覧会図録賞については2点の推奨作品に絞られたが、委員一致の受賞作を出すに至らなかった、とされた。
「新美術新聞」2013年11月21日号(第1329号)3面より