【展覧会】 「篠原有司男・篠原乃り子二人展 愛の雄叫び東京篇」開催

2013年12月14日 16:13 カテゴリ:最新のニュース

 

篠原有司男、篠原乃り子とゲストキュレーターの富井玲子

 

現代アーティスト・篠原有司男と妻・乃り子。2人の波乱に満ちた結婚生活を描き、各国の映画祭で大きな注目を集めたドキュメンタリー映画『キューティー&ボクサー』の日本公開を記念して、東京・渋谷のパルコミュージアムで展覧会が開催されている。今展は、映画の中にも登場するニューヨークでの2人展「Love Is A Roar-r-r-r」の東京版として特別企画されたもの。ゲストキュレーターとして、新美術新聞にて「現在通信 From NEW YORK」を連載中の美術史家・富井玲子が協力している。

 

 

篠原有司男「ポケモン・モーターサイクル」

“ギュウちゃん”のあだ名で知られる現代アーティスト・篠原有司男は1932年東京生まれ。1960年に吉村益信や赤瀬川原平らと伝説的な芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を結成、反芸術のアクション・アートで注目を集める。その反骨精神溢れる活動は、故・岡本太郎(1911~1996)をして「ひたむきなベラボウさ」と激賞せしめた。1969年に渡米し、以降はニューヨークを拠点に精力的な活動を続けている。

 

今展では、その代名詞的作品「ボクシング・ペインティング」をはじめ、オートバイ彫刻や近年モチーフとするカエルの立体作品、のびやかで力に溢れたドローイング作品など多彩な展覧で、80歳を超えてなお”前衛の道”をひた走る現代アーティスト・篠原有司男の世界を楽しむことが出来るだろう。『キューティー&ボクサー』の監督ザッカリー・ハインザーリングによる映像作品「篠原有司男のボクシング・ペインティング」にも注目したい。

 

 

篠原有司男の妻・乃り子は、美術留学で訪れたニューヨークで篠原に出会い、結婚。男児を授かる。アーティストの妻として、母として、芸術の道を半ば諦めていた彼女だが、結婚生活も40年を迎えてついに自分を表現する方法を見つけることとなった。それは、波乱に満ちた2人の人生を、自らの分身”キューティー”に託してドローイングで綴ること。キャンバスに油彩で描かれたキューティーの赤裸々な物語には、妻として、母として、そして芸術家としての篠原乃り子の思いが真っ直ぐに描き出されている。幅5mに及ぶ大作「キューティーの絵巻物語」をはじめ、喜びや悲しみ、犠牲、そして愛に満ちた作品の数々は多くの来場者を魅了するはず。

 

映画『キューティー&ボクサー』は、東京・渋谷のシネマライズ他で12月21日より公開される。アートに命を賭けた2人の愛と戦いの記録。なればこそ、その作品をを見なければ始まらないというものだ。

 

 

会場入口に設置された二人展の看板。ド迫力。

 

 

プレスプレビューには多くのマスコミ、関係者が押しかけた

 

篠原有司男「ボクシング・ペインティング」 2013年8月20日 180×500cm アクリル、カンバス(赤の上に黒と緑) 篠原有司男+乃り子蔵

 

左より、篠原乃り子「キューティー&ブリー」、「オードリーになったキューティー」、「男っていつも・・・」、「椅子の聖母になったキューティー(ラファエロによる)」 © Noriko Shinohara

 

篠原乃り子「キューティーの絵巻絵画」 210×2200cm 油彩、カンバス 作家蔵 © Noriko Shinohara

 

ザッカリー・ハインザーリング「アクションはアート:篠原有司男の《ボクシング・ペインティング》についての一考察」 2012年+2013年 © Zachary Heinzerling

 

 

篠原有司男・篠原乃り子二人展 愛の雄叫び 東京篇

【会期】 2013年12月13日(金)~2014年1月13日(月・祝)

【会場】 パルコミュージアム(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ PART1 3F)☎03-3477-5873

【休館】 無休

【開場時間】 10:00~21:00 (入場は閉場の30分前まで)

※大晦日は19:00閉場、元日は11:00~19:00、最終日は18:00閉場

【料金】 一般500円 学生400円 小学生以下無料

※映画「キューティー&ボクサー」半券で半額

 

【関連リンク】

Parco Museum

映画『キューティー&ボクサー』公式サイト

 

「新美術新聞」2014年1月1・11日合併号(第1333号)3面より

 


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