日本でも非常に人気の高い後期印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)。代表作として知られる「ひまわり」のうち、絵画制作がもっとも充実したといわれるアルル時代(1888年頃)に描かれたものは世界で7点が知られているが、このうち1点が、東京・新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で展示されている。
本作品は保存管理が難しいことなどから原則として館外への貸し出しは行われていない。しかしこのたび、株式会社損害保険ジャパンと日本興亜損害保険株式会社の協働による被災地支援活動の一環として、また、カメイ美術館(仙台)を運営するカメイ株式会社の協力を得て、東北初の特別公開が宮城県美術館で実現することとなった。今展では「ひまわり」のほか、同館が所蔵するパウル・クレー、モーリス・ド・ヴラマンク、長谷川潾二郎らによる「花」をモチーフにした絵画18点が展示される予定だ。
浮世絵のような明るい色彩を求めたゴッホが、南フランスのアルルで描いた「ひまわり」を通じて、今なお復興途上にある被災された方々に明るさと勇気を与えたいという主催者の想いが実を結んだ展覧会。ぜひ多くの方々に足を運んでいただきたい。
東日本大震災復興支援 特別公開 ゴッホの《ひまわり》展
【会期】 2014年7月15日(火)~8月31日(日)
【会場】 宮城県美術館(仙台市青葉区川内元支倉34-1) ☎0956―27-0001
【休館】 月曜ただし、7月21日(月・祝)開館、翌7月22日(火)休館
【開館時間】 9:30~17:00
【料金】 一般700円 学生500円 小中高生無料
【関連リンク】 宮城県美術館
「新美術新聞」2014年2月21日号(第1336号)2面より