上野の森美術館が主催する「第32回 明日をひらく絵画 上野の森美術館絵画大賞」の受賞者が決定した。同展は、明日の日本の美術界を牽引する個性豊かな作家を顕彰・助成するもので、毎年開催されている。今回の審査員は岡田修二、千住博、土屋禮(ネに豊)一、福王寺一彦、保科豊巳、山本文彦の各氏。
応募総数1,102点(760人)の中から入選作品238点(238人)が選出。選考に当たり、日々制作を重ねる作家ならではの視点で、審査員が作品の素材や技法についても活発に議論した。満場一致で上野の森美術館絵画大賞(賞金100万円)に決まったのは、王青氏(1960年上海生まれ)の「玄牝 げんぴん」。同作は、「技巧の高さがベースにありながら、日本人にない感性の色使いが作品をひきたてている」点が評価された。
優秀賞(賞金50万円)には、伊庭広人氏(1968年滋賀県生まれ)の「展望231 希望への始まり 2014」、柏木久美子氏(1950年香川県生まれ)の「絢の庭」、茂木瑶氏(1988年神奈川県生まれ)の「星座―窓からの風景―」、吉田沙織氏(1985年富山県生まれ)の「喪失して尚、混在する。Mixed with loss.」が選ばれた。
<優秀賞:ニッポン放送賞>
伊庭広人 (1968年滋賀県生まれ)
「展望231 希望への始まり 2014」
油彩 162.1×162.1cm
<優秀賞:彫刻の森美術館賞>
柏木久美子氏 (1950年香川県生まれ)
「絢の庭」
日本画 162.1×162.1cm
<優秀賞:産経新聞社賞>
茂木瑶氏 (1988年神奈川県生まれ)
「星座―窓からの風景―」
油彩 162.1×162.1cm
<優秀賞:フジテレビ賞>
吉田沙織氏 (1985年富山県生まれ)
「喪失して尚、混在する。Mixed with loss.」
日本画・板 112.1×162.1cm
全入選作品を展示する展覧会は、上野の森美術館で前・後期の2期に分けて開催された後、京都府京都文化博物館に巡回する。第31回上野の森美術館絵画大賞展入賞者展も同時開催され、昨年の受賞者の近・新作が発表される。
第32回 明日をひらく絵画 上野の森美術館大賞展
<上野の森美術館 会場>
【会期】 前期:4月25日(金)~5月1日(木):審査委員作品含む128点(作者名頭文字・た~わの作品)。後期:5月2日(金)~8日(木):審査委員作品含む計127点(作者名頭文字あ~その作品)
【住所】 東京都台東区上野公園1-2☎03-3833-4191
【休館】 4月30日(水)
【開館時間】 10:00~17:00 (入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般600円 大学・高校生400円 中学生以下無料
【関連リンク】 上野の森美術館
<京都府京都文化博物館 会場>
【会期】 5月27日(火)~6月1日(日)。関西在住作家(石川、愛知、岐阜~広島)を中心とした入選作品と審査委員作品の計91点。
【住所】 京都市中京区三条高倉☎075-222-0888
【休館】 無休
【開館時間】 9:00~17:30(入館は閉館30分前まで)
【関連リンク】 京都府京都文化博物館
「新美術新聞」2014年4月1日号(第1340号)2面より