国際交流基金とフランス国立美術館連合(RMN)、グラン・パレの共催により、2014年10月1日から2015年1月18日(第1期:10月1日~11月20日、第2期:12月1日~2015年1月18日)までグラン・パレ・ナショナル・ギャラリー(パリ)にて「北斎」展が開催される。同展の記者会見が5月26日に国際交流基金(東京)にて開かれ、監修者の永田生慈氏とグラン・パレ・ナショナル・ギャラリー学芸部長補佐のロール・ダロン氏が出席した。
■ 開催の背景
19世紀のヨーロッパ、特にパリを中心に流行したジャポニスム。そのきっかけとなったのは、版画家のフェリックス・ブラックモンが見た一冊の『北斎漫画』といわれる。同作に魅せられたブラックモンはそれを宣伝し、パリで北斎人気に火がつき、特に印象派やアールヌーヴォーなどの美術運動にも大きな影響を与えたという。
2014年はその『北斎漫画』初編が出版されて200周年にあたる。その記念すべき年に、北斎芸術の価値を最初に認めたパリで開催される本展。2年前より準備を進めていた企画がいよいよ実現する。
1980年10月から約2ヶ月間、パリのマレ地区文化センターで開催された「北斎とその時代」展は多くの来場者を集め、大きな話題になった伝説の展覧会である。ダロン氏の上司もその展覧会を見て、感銘を受けたという。浮世絵研究家で葛飾北斎美術館(島根県津和野町)の館長を務める永田氏は「質量ともに当時の展覧会を凌駕し、新たな伝説となる展覧会にしたい」と意気込みを語った。
■ 展示内容・構成
導入は、「北斎とフランス」。エミール・ガレなど北斎の影響を受けたフランス人作家の作品を展示することにより、フランス人やヨーロッパ各国から訪れる来場者の関心を喚起することを狙う。
以下、北斎の約70年にわたる画業を時系列に展示する。
北斎が使用した主な号ごとに、「春朗期」(習作時代)、「宗理様式期」(宗理様式の展開)、「北斎期」(読本挿画への傾注)、「戴斗期」(絵手本への傾注)、「為一期」(浮世絵版画への傾注)、「最晩年 画狂老人卍期」(故事古典、宗教画等の作画活動)の6期に分け、北斎のデビュー作から絶筆と考えられる作品を展観。肉筆、浮世絵、版画、摺物、絵暦、版本、書簡などの資料など534件(700点以上)が出品される。東京国立博物館、細見美術館、MOA美術館など日本国内の美術館、またメトロポリタン美術館(米国)、大英博物館、ヴィクトリア&アルバート美術館(以上イギリス)、ベルリン東洋美術館(ドイツ)など各国の主要美術館が所蔵する作品は、『北斎漫画』、「為朝図」、「冨嶽三十六景」シリーズなどの代表作のみならず、新発見、再発見、初公開、日本で未公開の作品も含まれ、日本以外では最大の北斎展になる。会場の展示面積は約1000㎡。
コンペで選ばれた展示デザインチームは、日本人建築家・田根剛氏も参加している。時系列毎に割り当てられた展示室は、赤や濃い緑のグラデーションを使用し、北斎の作風の変化を象徴する。特別に開発した照明、作品のシンボル等をわかりやすく説明するなど、解説やキャプションも工夫を加える。
■ 会場グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーとは?
国立展示施設グラン・パレは、1900年にパリ万博の会場として建設された歴史ある建物だ。ここには3つの施設が収容されている。
まず、今展の会場となるグラン・パレ・ナショナル・ギャラリー。ここで開催される大規模企画展は多数の入場者を集め、内容面でも高い評価を得ている。北斎展は2014年の同ギャラリーでの目玉事業と位置づけられている。
「発見の殿堂」(パレ・ド・ラ・デクヴェール)は、子どもや家族連れ、学校団体などが多く訪れる科学技術系の博物館だ。
また、「ラ・ネフ」と呼ばれる、ヨーロッパ最大のガラス屋根に覆われる空間では、現代アーティストの大型作品を展示する「モニュメンタ」を始め、ファッションショーなど多彩なイベントが開催される。
【関連リンク】
「北斎」展 フランス国立美術館連合グラン・パレと共催 (国際交流基金公式サイト)