青森県立美術館は今年度から国内外の若手作家に美術館の空間を活かした展示や企画をしてもらうプロジェクト「PHASE(ファーゼ)」をスタートさせる。
今年度から来年度にかけてはディレクターに青森県出身の美術家・奈良美智氏を迎え、同氏がデザインした同館敷地内「八角堂」を会場に開催。今年度は奈良氏自らがリサーチし選んだ3名の大学院生の作品を個展形式で発表する。
■参加作家・会期
part1 宮川慶子
【会期】 7月19日(土)~8月24日(日)
【休館日】 7月28日(月)、8月11日(月)
「生」と「生」の営みにまつわる矛盾について考えながら、樹脂粘土を用い、架空の動物のような立体作品や、毛皮や繊毛を思わせる触感に富んだ平面作品を制作してきた。平面と立体を組み合わせた展示で、いたいけな者たちの、はかない美と生命力に満ちた世界を作り上げる。
みやがわけいこ
1991年神奈川県横浜市出身、2014年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域卒業、現在東京造形大学大学院造形研究科美術研究領域在学
part2 伊藤早樹子
【会期】 8月30日(土)~10月13日(月・祝)
【休館日】 9月8日(月)~12日(金)、29日(月)
大学時代テキスタイルコースに所属しながら、素材やジャンルにとらわれず、空間を大胆に使った、不可思議で強烈なインパクトを与える作品を発表してきた。日常というベールに覆われた日々の暮らしに抱く違和感や、心象と現実の遠近のずれなど、東日本大震災を体験してから一層深化していった問題意識の中で、空間全体を使った新しい作品を試みる。
いとうさきこ
1991年宮城県石巻市出身、2014年東北芸術工科大学芸術学部美術科テキスタイルコース卒業、現在京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻在学
part3 永井天陽
【会期】 10月18日㈯~11月24日(月・祝)
【休館日】 10月27日(月)~11月10日(月)
時間、空間、空中の水蒸気など、身の周りにある見えない存在に、作品を通じて形を与えることで、日常の視覚体験とそれに基づく価値観を問う試みを行ってきた。ある物体を別の物体から象った透明の殻に閉じ込め、実体の感覚に揺らぎを生じさせる近年のシリーズ「メタラクション」に連なる作品で、八角堂に新しい空間を創出する。
ながいそらや
1991年埼玉県飯能市出身、2014年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業、現在武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース在学
■座談会
3名のアーティストに奈良美智氏を加え、それぞれの展示について自由に話し合う。参加費無料。
【日時】 10月18日(土) 14:00~15:30
【定員】 80名 ※応募者多数の場合は抽選により決定
【申込方法】 往復はがきに「座談会希望」と記入の上、氏名、郵便番号、住所、電話番号、参加希望人数(2名まで)を記して申し込みのこと。
【申込先】 〒038-0021 青森市安田字近野185 青森県立美術館 PHASE座談会 係
【締切】 9月1日(月)必着
【問い合わせ】青森県立美術館 ☎017-783-3000