日本画、工芸の分野で優れた作家・作品を顕彰してきた「MOA岡田茂吉賞」。19回目の開催となる今回は工芸分野に特化し、大賞1点と、新たに創設された新人賞(40歳以下の若手工芸作家が対象)3点が発表された。
大賞は金工の山本晃氏による切嵌象嵌接合せ箱「夕凪」。山本氏は独自に編み出した切嵌象嵌(きりばめぞうがん)、接合せ(はぎあわせ)という技術から詩情あふれる作品を生みだし、この7月には、重要無形文化財保持者(人間国宝)に選ばれている。
その他、新人賞に選ばれたのは、甲斐幸太郎(木工)「欅拭漆蓋物」、新里明士(陶芸)「光器」、新田源太郎(染織)「米沢平袴「千尋草」」の3作品。
同賞は23名の美術館関係者、研究者などによる推薦委員からの推薦をもとに、小説家の荻野アンナ氏、東京藝術大学学長・宮田亮平氏など8名の審査委員会によって決定。大賞、新人賞と招待作品をあわせた43作品は、以下の会期に展示される。
第19回MOA岡田茂吉賞
【会期】 2014年10月31日(金)~12月24日(水)
【会場】 MOA美術館(静岡県熱海市桃山町26-2)TEL0557-84-2511
【休館】 木曜、祝日のとき開館
【開館時間】 9:30~16:30(入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般1600円 高校・大学生800円 シニア割引1200円 中学生以下無料
【関連リンク】 MOA美術館
「新美術新聞」2014年8月21日号(第1352号)3面より