テーマは「Inhabiting the World」
2000年に誕生し、これまで計700万人の来場者を集めてきた国際芸術祭「釜山ビエンナーレ」が第8回を迎える。アーティスティック・ディレクターに仏マーグ財団美術館館長のオリヴィエ・キャプラン氏を迎え「Inhabiting the World」(世界に住まう)をテーマに掲げる今回。
このテーマについて氏は「安定しない現在の世界で、私たちは積極的に世界というものに働きかけ、積極的に住んでいるのかという疑問を投げかけたい。芸術家はよりエネルギッシュにそしてアクティブに、なおかつポジティブに世の中を捉えている。これを皆様に提示したい」と語った。
メイン展示は「抽象・運動」、「宇宙」、「建築的空間」、「アイデンティティ」など7つのセクションで構成。アーティストには第56回ヴェネチア・ビエンナーレ(15年)の日本館出品作家でもある塩田千春や郡田政之、ファブリス・イベールなどが参加。同時代性や次世代性を持つ作品をクローズアップし、抽象絵画からデジタル・アート、平面からインスタレーションに至るまで約50名の作家によって芸術形式の全ての分野を網羅する。
また今回はメイン展示と同時に2つの特別展も開催。李健洙氏がキュレーションする「ビエンナーレ・アーカイブ」展では過去の韓国現代美術のビエンナーレを振り返り、その意義と価値を考察する。一方「アジアン・キュレトリアル」展では釜山、横浜、上海、シンガポールなどアジア各国の主要な国際展から推薦されたキュレーター、徐凖皓(韓国)、花田伸一(日本)、柳淳风(中国)、ジョリーン・ロウ(シンガポール)の4氏が企画を担当。約50名のアーティストが参加し、ビエンナーレに若い活力を与える。
なお今回はアジア地域のビエンナーレ代表者によるミーティングや、アジアの美術専門誌編集長を招くアジア編集長ミーティングなどの多彩な国際交流プログラムも開催。ほぼ同時期に開催される第5回福岡アジア美術トリエンナーレ(9月6日~11月30日)とも連携するなど、外国人観光客誘致に積極的に取り組む姿勢を打ち出している。
■釜山ビエンナーレ2014
【会期】9月20日(土)~11月22日(土)
【会場】釜山市立美術館、釜山文化会館、KISWIRE Sooyoung Factoryなど
【料金】一般10000ウォン
【関連リンク】釜山ビエンナーレ