「新美術新聞」2014年9月1日号~9月21日号に掲載された美術館や画廊、団体のオープン情報や移転、休館情報、人事、訃報などをお伝えします。
【移転】
■ 柳井美術
新住所:〒113-0022 東京都文京区千駄木1-22-33 TEL03-5842-1971
※開業10周年にあたる2015年5月に「オープン記念展」を開催予定。
【人事】
■ ポーラ美術館(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1285)の荒屋舗透館長が6月末日をもって退任。新館長には、美術評論家で共立女子大学名誉教授の木島俊介氏が就任した。
【訃報】
■ 池田敏男(いけだ・としお)氏=洋画家、新構造社理事、千葉県美術会理事
6月12日、急性心不全のため死去。78歳。千葉県出身。千葉大学教育学部美術科卒。森桂一に師事。自然と人間、環境、人体をテーマに制作。02年新構造展文部科学大臣奨励賞、10年同展損保ジャパン奨励賞受賞。
■ 井上正(いのうえ・ただし)氏=美術史学者、飯田市美術博物館初代館長
6月14日、肝臓がんのため死去。85歳。長野県出身。東大文学部卒。京都国立博物館、奈良大教授、89年飯田市美術博物館設立から06年までの18年間館長を務めた。専門は仏像研究。
■ 河原温(かわら・おん)氏=現代美術家
7月11日までに米ニューヨークで死去したことを作品を扱う画廊が明らかにした。81歳。愛知県出身。刈谷高卒。デイト・ペインティング(日付絵画)などで知られるコンセプチュアル・アート(概念芸術)の第一人者。50年代に「浴室」シリーズで注目され、60年代半ばよりニューヨークに拠点を移し、日付絵画「Today」シリーズなどを作り続けた。作品以外の動静やプライベートは公表しない姿勢で知られた。98年には東京都現代美術館で大回顧展が開かれ、来年2~5月には米グッゲンハイム美術館で回顧展が予定されている。
(関連ページ「追悼 河原温:富井玲子」)
■ 永田力(ながた・りき/本名ちから)氏=画家、元自由美術協会会員
7月27日、腎臓がんのため死去。90歳。長崎県出身。43年満州製鉄報道班員として渡満。応召、敗戦後、旧ソ連にて抑留生活、復員後48年上京。自由美術協会などで活動、小説の挿絵や本の挿画も手掛けた。水上勉「飢餓海峡」の挿絵などで62年講談社さしえ賞。赤川次郎「三毛猫ホームズ」シリーズの挿画でも知られた。
■ 佐藤清(さとう・きよし)氏=建築家、画家
7月28日、心のう血腫のため死去。88歳。福島県出身。44年陸軍に召集され満州へ。敗戦後、旧ソ連に抑留され47年暮に復員。武蔵野美術学校で西洋絵画を学び、後に設計事務所を営なみながらシベリア抑留体験を絵にしてきた。
■ 高村規(たかむら・ただし)氏=写真家、高村光太郎記念会理事長
8月13日、心不全のため死去。81歳。東京都出身。祖父は彫刻家の高村光雲、伯父は詩人で彫刻家の高村光太郎、父は人間国宝の彫金家・高村豊周(とよちか)。祖父、伯父の彫刻作品をはじめ美術作品、広告写真を手掛け、日本広告写真家協会会長も務めた。
■ 宮脇愛子(みやわき・あいこ/本名磯崎愛子)氏=彫刻家
8月20日、すい臓がんのため死去。84歳。東京都生まれ。日本女子大卒。阿部展也、斎藤義重らに絵画を学び、60年代半ばから真鍮パイプなどを使った立体作品を手掛けた。80年代よりステンレスワイヤで空中に円弧を作る「うつろひ」シリーズを発表、国際的評価を受け世界各地に作品が設置された。夫は建築家の磯崎新。前夫は鉄道紀行作家の故・宮脇俊三。60年代より活躍のため、当時の宮脇姓を使い続けた。
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