公益財団法人としては3例目の大賞受賞
公益社団法人メセナ協議会(理事長=尾﨑元規)は10月9日、2014年度の「メセナアワード」を発表、今年度は102件の応募の中からメセナ大賞1件と優秀賞5件、特別賞:文化庁長官賞1件が選ばれた。
今回大賞を受賞したのは公益財団法人ギャラリーエークワッド(東京都)の『“建築・愉しむ”ギャラリーエークワッドの運営』。公益財団法人の受賞としては3例目となる。
同ギャラリーは竹中工務店本社移転にあわせ2005年に東陽町にオープン。年7~9本の企画展を開催し、これまでの展覧会数は75を数える。今回の受賞は経済効率優先の価値観を問う中で「本当に豊かな暮らしとはなにか」という課題意識のもと、建築を取り巻く環境も含めた幅広いテーマによるギャラリー活動が評価されたかたち。
企業メセナ協議会専務理事・加藤種男氏は今回の受賞について「エークワッドの活動をよく見てみると、建築デザインや外観といったもの以上に、普通の人間がどう快適に生活できるのかといった『使う人の立場から建築に焦点を当てる活動』をしている。そのきめ細やかな活動をぜひ広く社会にアピールしてもらいたい」と語った。
会見で同ギャラリー館長・川北英氏は「今年は10年目の節目、そんな年に受賞できて光栄に思う。これまで本当の豊かさ、これからの地球をどうしていけばいいかを手作りでやってきた。ものづくりの楽しさをまず自分たち自身が楽しみながらやっていきたい」と抱負を述べた。また同ギャラリー主任キュレーター・岡部三知代氏は「後任の育成が喫緊の課題」としながらも、この受賞を一つの節目とし、更なる多様な展覧会の実施など今後の可能性を覗かせた。
なお優秀賞の受賞活動は以下の通り。
川の手文化賞=アサヒビール株式会社(東京都)『すみだ川アートプロジェクト2013:江戸を遊ぶ―「ないまぜや!」鶴屋南北』
華のアート賞=株式会社資生堂(東京都・静岡県)『「椿会」の開催と資生堂ギャラリー、資生堂アートハウスの活動』
子どもクリエイティブ賞=株式会社電通(全国)『「広告小学校」プロジェクト』
ケニアで読みま賞=日本工営株式会社(ケニア国ニャンザ州ニャンド県)『日本ケニア友好ソンドゥ・ミリウ公共図書館での読書文化普及のための支援活動』
紅型めんそ~れ賞=株式会社琉球銀行(沖縄県)『「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」による紅型振興と次世代育成活動』
なお特別賞:文化庁長官賞はトヨタ自動車株式会社(全国)『トヨタ青年オーケストラキャンプ』に贈られた。