2010年以降、欧米のアートシーンを席巻する抽象画のトレンド。この潮流を生み出す一因となったとも言われるのが、2011年に英米で出版された評論集『The Medium of Contingency』だ。その翻訳書がアーティスト・村上隆が率いるカイカイキキより刊行された。
同書はアーティストから哲学者までの論者が、全くの想定外の出来事の発生を意味する「偶然性(contingency)」という概念をフレームアップし、クレメント・グリーンバーグ以降のメディウム論の流れに位置づけようと試みるもの。著者は以下の通り。
著者
ロビン・マッカイ(哲学者)
イギリスの出版社/美術団体である「Urbanomic」の代表で、雑誌 『Collapse: Journal of Philosophical Research and Development』編集人。
レザ・ネガレスタニ(イラン出身の哲学者/著述家)
著書『Cyclonopedia: Complicity with Anonymous Materials』Re. Press, Melbourne (2008)
エリ・アヤシュ(テクノロジーカンパニー「Ito33」の創業者)
著書『The Blank Swan:The End of Probability』Wiley, Chichester (2010)
マシュー・プール(フリーランス・キュレーター/著述家)
イギリス、エセックス大学 (The University of Essex ) のセンター・フォー・キュ レトリアル・スタディーズ(The Centre for Curatorial Studies ) ディレクター。
ミゲル・アブロー(ギャラリスト)
マンハッタンのロウワー・イースト・サイドにあるミゲル・アブロー・ギャラリー(Miguel Abreu Gallery) 創立者/ディレクター。
スコット・ライオール(アーティスト)
トロントおよびニューヨークに拠点を置くアーティスト。個展『The Color Ball』Power Plant(トロント)、『An Immigrant Affection』Miguel Abreu Gallery(ニューヨーク)など。