ジャポニスム学会賞にリカル・ブル氏、同奨励賞に安永麻里絵氏
ジャポニスム学会(会長・馬渕明子)は9月25日、日本文化が近代欧米に与えた影響など、東西交流についての優れた研究に贈られるジャポニスム学会賞および同奨励賞の第35回(奨励賞は第2回)受賞者を発表した。
ジャポニスム学会賞は、バルセロナ世界美術博物館(2015年2月開館予定)キュレーターのリカル・ブル氏が受賞。これまで、「秘画—ピカソと日本の春画」展(09)、「ジャポニスム〜日本美術へのあこがれ〜」展(13)などをバルセロナで企画。本年出版した著書『エロティック・ジャポニスム:西洋美術における日本の性的画像の影響』(邦題)において、ヨーロッパ美術における春画の影響を、多数の資料と丹念な研究にもとづく大胆な仮説とともに論じ、近年のジャポニスム研究のなかでも出色のものであると高く評価された。
奨励賞は、日本学術振興会PD特別研究員、アムステルダム大学客員研究員の安永麻里絵氏。論文「伝統と近代のはざまで―美術史家カール・ヴィートの日本滞在と『日本の仏教彫刻』」での実証的・具体的な研究と、視野を広くもった概念的・概括的な発想とがかみあったスケールの大きさが評価を得た。
本賞の授賞式および記念講演会の日程は、ジャポニスム学会サイトにて順次告知される。
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