「ヨコハマトリエンナーレ2014」が11月3日、閉幕した。
今回の「ヨコハマトリエンナーレ2014」は、アーティスティック・ディレクターに美術家の森村泰昌氏を迎え、「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」をテーマに、世界各国のアーティストによる400点超を紹介。森村氏が構成した真摯なメッセージを伝える展覧会は、国内外の専門家から高く評価され、8月1日から11月3日まで89日間の会期中に、214,901人の来場者(速報値)が訪れた。なかでも、全編ひらがなによる『ひらがなカタログ』の発行、中・高校生や市民サポーターの編成、教育機関との連携など新たな取組みを実施した結果、中学生以下の来場者は26,381人を記録。「上質な美術作品をより多くの人に、特に次世代を担う子どもたちに観てほしい」という森村氏の試みは、一定の成果を収めたと言えるだろう。
また、横浜美術館のグランドギャラリーに設置されたマイケル・ランディによる芸術のためのゴミ箱「アート・ビン」には、第一線で活躍するアーティストや美大生、近隣住民、海外からの来場者などが失敗作や未発表の作品などを持ち寄り、89日間で延べ490作家による投棄が行われた。現在、マイケル・ランディ「アート・ビン」に参加した作家の作品記録写真を「アート・ビン Facebook」で公開中。
最終日11月3日の夕刻には、閉幕イベント〈消滅のためのラストショー「Moe Nai Ko To Ba を燃やす」〉が開催。本展のために制作された世界でただ一冊の本『Moe Nai Ko To Ba』の消滅とともに、3年に1度の現代アートの祭典は幕を閉じた。
【関連リンク】 ヨコハマトリエンナーレ2014