約3年にわたる大規模な改修工事を経て、東京都庭園美術館が2014年11月22日にリニューアルオープンを迎えた。今回のリニューアルでは東京都指定文化財である旧朝香宮邸を継承した本館の設備改修、ならびに建物保存を目的とした調査、修復、復原を実施。また本館に隣接するかたちで現代美術家・杉本博司がアドバイザーをつとめた、ホワイト・キューブの展示空間を備えた新館が誕生した。
リニューアル開館を飾った記念展は「アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコ建築をみる」(本館)と「内藤礼 信の感情」(新館)。本館では朝香宮邸建築に関わったアーキテクツ(設計者・技術者たち)に焦点をあて、資料や映像などで彼らが1933年に白金の地で何を目指して、何を実現したのかを紹介。日本を代表するアール・デコ建築が生まれるストーリーを追いかける。(※ともに12月25日閉幕)
今後の予定として、2015年1月17日(土)からは「東京都庭園美術館開館30周年記念 幻想絶佳 :アール・デコと古典主義」を開催。アール・デコにおける朝香宮邸の位置づけを明らかにしながら、古典主義のアール・デコ作家たちの豊かなイマジネーションから生まれた世界を、フランスの美術館所蔵品を中心とした33 作家による家具、磁器、銀器、ガラス、ドレス、絵画、彫刻など80 余点の作品で紹介する。
なお同館では展覧会のほかに、パフォーミング・アーツに特化したプログラム「TTM: IGNITION BOX」を実施。ナム・ジュン・パイクのエンジニアだった阿部修也らを迎える「ライヴパフォーマンスとしてのヴィデオアート」など、4つのプログラムによって、これまでの庭園美術館にはない新たな展開を見せる。
次回展「幻想絶佳 :アール・デコと古典主義」
【会期】1月17日(土)~4月7日(火)
【休館】毎月第2・第4水曜日 ※祝日のとき翌日
【開館時間】10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
【料金】一般1,200(960)円 大学生(専修・各種専門学校含む)960(760)円 中・高校生・65歳以上600(480)円
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金 ※小学生以下および都内在住在学の中学生は無料
【関連リンク】東京都庭園美術館