目標枚数は3,776枚
世界的に活躍する映像作家フィオナ・タンが2016年にIZU PHOTO MUSEUMで開催予定の展覧会に発表する新作のため、富士山の写真を募集している。
フィオナ・タンは1966年インドネシア・プカンバル(スマトラ島)生まれ。現在オランダ・アムステルダム在住の映像作家。第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2009年)のオランダ館代表やドクメンタ11(2002年・カッセル)、テート・モダン(2004年・ロンドン)など国際展や企画展に多数参加している世界的な作家のひとり。また2014年には東京都写真美術館で「フィオナ・タン まなざしの詩学」を開催したことは記憶に新しい(12月20日より国立国際美術館に巡回)。
今回のMT.FUJIプロジェクトは富士山の標高3376メートルにちなみ、3376枚の写真を一般から公募。特設サイトを通じて誰でも簡単にアップロードできるようになっている。空気が澄み、富士山が見えやすいこの季節。お気に入りの1枚で作品へ参加してみてはいかがだろうか。
■フィオナ・タンのコメント
出発点として「富士山との上昇(Ascent with Fuji)」と題した新しい映像作品を作りたいと考えています。私が思い描いているのは、注意深く編集された富士山の写真の寄せ集めによって構成されるプロジェクション作品です。この作品は富士山とそのあらゆるイメージが置かれている状況について考察し、問い直すものです。私自身のものではないイメージを用いてこの作品を作るのがふさわしいように感じています。他人の目を通して、遠くから、山を構築し、想像し、マッピングするのです。つなぎ合わされたとき、これらのイメージは映画のコマのような混成物を作り出すでしょう。このイメージの集合は二つのパラドックス、つまり、真正で完全な(写真)表象の不可能性と、常に不変ではあるが、決して同一ではない山それ自体の本質を表現します。これらの何千ものイメージが山を雲のように取り囲みます。その姿を露わにするのと同時に隠しながら。―フィオナ・タン
【関連リンク】IZU PHOTO MUSEUM