昨年7月および12月に芸術家のろくでなし子氏(本名:五十嵐恵氏)が逮捕された一連の事件に関し、国際美術評論家連盟日本支部の会員有志が警視庁および東京地検宛に抗議文を送付した。
今回の抗議文に名を連ねている有志は遠藤水城、岡﨑乾二郎、笠原美智子、加治屋健司、加須屋明子、倉石信乃、暮沢剛巳、小勝禮子、坂本満、沢山遼、椹木野衣、住友文彦、土屋誠一、成相肇、林道郎、福住廉、松井みどり、松浦寿夫、山本和弘の19名。以下に全文を掲載する。
ろくでなし子氏に対する不当逮捕と起訴に対する説明と起訴撤回の要求
芸術家のろくでなし子氏(五十嵐恵氏)に対する、2014年7月12日および同年12月3日における不当な逮捕、同年12月24日における起訴に対して、強く抗議します。ろくでなし子氏の作品は、公序良俗を乱すものでは全くなく、自らの性器を主題に用いて、日本を含む現代社会にいまだ広く存在し続ける性差にかかわる権力関係を、女性としての立場から明らかにし、硬直化した価値観の体系の再検証を促すという、真摯な批判的意図に基づいた作品であることは明らかです。そのような芸術表現に対する公権力の介入は、民主主義の根幹を支える「表現の自由」の権利を著しく侵害するものであります。ゆえに我々は、ろくでなし子氏に対する、不当な逮捕に至った論理的かつ詳細な説明と、不当な起訴の撤回を強く求めます。
国際美術評論家連盟日本支部 会員有志
遠藤水城、岡﨑乾二郎、笠原美智子、加治屋健司、加須屋明子、倉石信乃、暮沢剛巳、小勝禮子、
坂本満、沢山遼、椹木野衣、住友文彦、土屋誠一、成相肇、林道郎、福住廉、松井みどり、
松浦寿夫、山本和弘