富山県は、JR富山駅北側の富岩運河環水公園に移転新築される「新近代美術館(仮称)」の実施設計を発表した。
実施設計によると、内藤廣建築設計事務所による新美術館は地上3階の鉄骨造で、延床面積は14,990㎡(うち美術館用途9965㎡)。建物外面には県材のアルミ壁を主に用い、ガラスを多用した開放的な東側からは、環水公園や立山連峰を一望できる。常設・企画展示室に加えて県民による発表・展示が行われるギャラリー、作家の公開制作やワークショップを行うアトリエ、カフェ、レストランなどをそなえ、なかでも、約3,600㎡の屋上庭園を大きな特徴とする。屋上庭園は親子がアートやデザインを体で感じ取れる場として、デザイナーの佐藤卓氏が全体のデザインを監修。富山県総合運動公園などにも設置され、子供たちに人気の「ふわふわドーム」のほか、佐藤氏デザインの造形遊具が設置される。本体工事費は76億円。
館の設置、運営の理念と特徴として、
① アートとデザインをつなぐ、世界で初めての美術館
② 立山連峰の美しい眺望、四季折々の景色が飛び込んでくる富山の新しいビューポイント
③ 鑑賞するだけでなく、見る、創る、学ぶといった双方向で美術を体験
④ 芸術文化やデザインの振興はもとより産業の活性化にも寄与
⑤ 時代とともに成長して、価値が高まっていくような美術館
という5つを挙げており、石井隆一同県知事は、「年間30万人が目標。北陸新幹線開業後の富山県、北陸の新たな観光拠点として、人が集って交流する、そういう場にしていきたい」と語る。今後は、2015年1月の入札を経て3月着工、2016年度中の開館に向けて整備を進める。なお、屋上庭園は開館に先駆けて2016年夏頃のオープンを目指す。
【関連リンク】 富山県立近代美術館「新美術館(仮称)実施設計の概要について」