【ニュース】京博で「桃山時代の狩野派」開催 初公開3点含む69点を展示

2015年02月09日 09:12 カテゴリ:最新のニュース

 

桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち

 

「唐獅子図屏風(部分)」狩野山楽筆 京都・本法寺蔵 展示期間:通期

「唐獅子図屏風(部分)」狩野山楽筆 京都・本法寺蔵 展示期間:通期

 

大坂の陣からちょうど400年にあたる今年。豊臣から徳川へと天下の趨勢が一変したこの出来事の前後、武士はもとより、絵師もまた熾烈極まる生き残りをかけた戦略を繰り広げた。とりわけ権力者と密接に関わってきた狩野派にとって、この時期は棟梁・永徳の死やライバル・長谷川等伯の台頭、来るべき新時代の覇者の見極めなど、一門にとって最も苦しく、また難しい判断を下さねばならない激動の時代だった。

 

重要文化財「吉野花見図屏風」(左隻・部分) 京都・細見美術館蔵 展示期間:前期(4/7~26)

重要文化財「吉野花見図屏風」(左隻・部分) 京都・細見美術館蔵 展示期間:前期(4/7~26)

今展は、狩野派史上最大のピンチにおちいった慶長年間前後に着目し、永徳没後、「豪壮」から「華麗」へ、さらに新たな為政者・徳川家に対応すべく、「瀟洒淡麗」へと画風を変えていく一大転換の過程を、永徳の後継者、光信、宗秀、山楽、孝信、内膳、長信、探幽らの作品を一堂にして辿るもの。また、この「桃山後期」に焦点をあてた狩野派の展覧会としては、過去最大規模となる、国宝1件、重要文化財23件、重要美術品1件を含む69件を出品し、百花繚乱のごとくその才能を花開かせた狩野派絵師たちの競演と戦いの歴史を紹介する。

 

中でも今回、新発見された「北野社頭遊楽図屏風」(狩野孝信筆)、「槇に白鷺図屏風」(狩野山楽筆)と、修復を終え初公開される光信様で描かれた大作「源氏物語図屏風」の3件には大きな注目が集まることだろう。

 

 

「扇面画貼」狩野宗秀筆 京都・豊国神社蔵 展示期間:通期

重要文化財「豊臣秀吉画像」西笑承兌賛 狩野光信筆 愛媛・宇和島伊達文化保存会蔵 展示期間:前期(4/7~26)

 

国宝「花下遊楽図屏風」(左隻) 狩野長信筆 東京国立博物館蔵 展示期間:後期(4/28~5/17)

 

「北野社頭遊楽図屏風」狩野孝信筆 展示期間:通期

 

「槇に白鷺図屏風」狩野山楽筆 展示期間:通期

 

特別展覧会 桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち

【会期】2015年4月7日(火)~5月17日(日)

【会場】京都国立博物館(京都市東山区茶屋町527) TEL 075-525-2473

【休館】月曜、ただし5月4日(月・祝)は開館

【開館】9:30~18:00、ただし金曜は20:00まで(入館はそれぞれ閉館30分前まで)

【料金】一般1,500円(1,300円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生900円(700円)、中学生以下無料 ※()内は前売り

【関連リンク】京都国立博物館

 

 

■記念座談会 「日本美術応援団、桃山時代の狩野派を応援する!!」

【日時】2015年4月11日(土) 13:30~15:00

【会場】京都国立博物館 平成知新館 講堂(地下1階)

【登壇】山下裕二(明治学院大学教授・日本美術応援団団長)、井浦新(俳優・京都国立博物館文化大使・日本美術応援団団員3号)、山本英男(京都国立博物館学芸部上席研究員)

【料金】無料 ※要展覧会チケット

【定員】200名 ※当日12:00より平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布

 

 


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