東京海上日動賞に町田結香、松村謙三賞に鵜飼義丈の両氏
長谷川徳七・日動画廊代表取締役社長が創設し、実力ある作家を発掘・育成してきた公募展「昭和会展」。1月29日に第50回展の審査が行われ、各賞が発表された。
最高賞「昭和会賞」には、洋画の土井久幸氏(1976年和歌山県生まれ、独立美術協会準会員)が決定した。土井氏は画塾での勉強ののち、ほぼ独学でクレパス(オイルパステル)の技法を習得。「自分の描きたいものを描ききれた自信はあったのですが、評価される絵ではないと思っていた」と予想外の受賞を喜ぶ。クレパスの魅力のひとつは、表現として「弱い絵」を描けることといい、「見る人の心に寄り添い、感じたいように感じることのできる作品でありたい」と抱負を語った。
審査員のひとりである南嶌宏氏は「なんの奇もてらわず、極めてオーソドックスな筆の先の純度と、何を描きたいかという作家の思い、それに時代の風景のようなものがうまく重なり合った」と評価した。
その他、東京海上日動賞には町田結香氏、松村謙三賞には鵜飼義丈氏、50周年記念松村特別賞は穴畑三千昭、本間佳子の2氏、昭和会彫刻賞に江村忠彦氏が決定。昭和会賞は賞金200万円。東京海上日動賞・松村謙三賞はともに賞金100万円。今展は40歳以下の新人を対象に、絵画106作家165点、彫刻12作家20点より招待作家を選考し、新作をもって最終審査が行われた。
なお、授賞式冒頭の長谷川徳七氏の挨拶で、来年には今展をより国際的にリニューアルをしたいと発表。「手をたずさえて歩んでいける、若い作家がいないといけないと考えはじめてから半世紀。第1回展の奥谷博先生をはじめ一流の先生方もここから出て、今回は良い節目」と、新たな展望も明らかにした。
第50回昭和会展は1月30日(金)から2月12日(木)まで、東京・銀座の日動画廊において開催。
「新美術新聞」2015年2月11日号(第1367号)3面より
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