4月2日オープンの宝物展示室の目玉に
2月5日、駐日英国大使館大使公邸にて、英国ロイヤルコレクション所蔵「台徳院殿霊廟模型」の日本への長期貸与が発表された。出席者はティム・ヒッチンズ駐日英国大使、ウィリアム・コールドレイク英国ロイヤル・コレクション・トラスト代表/東京大学大学院特任教授、友田達祐増上寺執事長、ジョナサン・マースデン英国ロイヤル・コレクション・トラスト総責任者。
台徳院殿霊廟は、徳川家2代将軍・徳川秀忠(1579~1632)の墓所として、3代将軍・家光によって徳川家の菩提寺である増上寺の境内に建造された。徳川家霊廟の中で最も壮麗とされる日光東照宮のプロトタイプとなったもので、戦前には国宝に指定されていたが、1945年に戦災で消失。今ではモノクロ写真でしか往時の姿をしのぶことが出来ない。
本模型は、その主要部分を10分の1スケールで忠実に再現したもので、1910年にロンドンで開催された日英博覧会に出品後、英国王室に贈呈された。彫刻の高村光雲、建築の古宇田実ら東京美術学校(現・東京藝術大学)の専門家による監修の下、当時最高の工芸技術をもって製作されており、美術工芸品としての価値も非常に高い。
100年ぶりとなる日本への里帰りは英国側の意向によるもので、日本の職人の手による12ヶ月にわたる丹念な修復作業を経て、徳川家康没後400年を記念して4月2日にオープンする、増上寺本殿地下1階の宝物展示室で長期公開される。ヒッチンズ大使は「英国と日本が協力することで、歴史的にも政治的にも重要かつ非凡な職人技を広く一般に届けることができるという、今後のあり方を象徴する素晴らしい出来事」とコメントを寄せている。
なお、宝物展示室では、2011年、江戸東京博物館で初めて全100幅が公開され話題となった狩野一信作「五百羅漢図」、重要文化財「法然上人絵伝」など、増上寺所蔵の文化財も順次展示される。
【名称】 増上寺 宝物展示室
【公開】 2015年4月2日(木)より一般公開
【住所】 東京都港区芝公園4-7-35 増上寺 ☎03-3432-1431
【休館】 火曜
【開館】 10:00~16:00
【料金】 一般700円 ※徳川将軍家墓所拝観とのゼット券1,000円
【関連リンク】 浄土宗大本山 増上寺