【ニュース】愛知県美術館『月映』展、公式サイトがオープン

2015年02月20日 10:11 カテゴリ:最新のニュース

 

100年前、3人の若者が木版画にかけた青春。

 

『月映』展 公式サイトより

 

愛知県美術館の次回展「『月映』展」の公式サイトがオープンした。会期は4月17日(金)~5月31日(日)で、展示替えあり。

 

『月映』とは、1914年9月、当時美術学生だった田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎が世に送り出した60ページたらずの冊子である。大正初期、文芸誌『白樺』などで日本でも紹介されるようになっていたムンクやゴッホをはじめとする西洋美術の動向を敏感に受容しつつ、病に苛まれ文字通り命を刻むようにして木版画の制作を続けた田中(1892~1915)。田中の存在に触発されて美しい友情を交わしながら、生と死への深い内省から作品を生み出した藤森(1891~1943)。そして日本で最も早く抽象表現へと進んだ恩地(1891~1955)。彼ら3人によって生み出されたこの冊子は、洋画や日本画といった美術の主たるジャンルから離れて自刻木版へと向かった野心的な取り組みと、それによって創作版画運動の草創期を形成した点で評価され、また、『月映』を見たのをきっかけに、萩原朔太郎が第一詩集『月に吠える』の装丁を田中と恩地に依頼するなど、美術だけでなく、近代日本の文化において重要な場所に位置づけられる珠玉の作品集と言えるだろう。

 

今展は、『月映』刊行から100年を記念し、その内容と意義をあらためて見直そうとするもの。1915年11月の第7号まで約200部ずつ刊行された公刊『月映』を全冊展示するのはもちろん、3人が1部ずつ持ち合い、現在ではそのうちの1つしか残されていない「私輯(ししゅう)『月映』」と呼ばれる私家版や、油彩画、ペン画など貴重な関連作品も多数展示する。

 

関連事業として、4月25日(土)13:30~15:00で記念講演会「『月映』と萩原朔太郎」を開催。国際日本文化研究センター教授の坪井秀人氏が講師として登壇する。会場は、愛知県芸術文化センター12階アートスペースA。申込不要・聴講無料(先着150名)。

 

【名称】『月映(つくはえ)』展 ― 田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎 TSUKUHAÉ

【会期】 〈前期〉2015年4月17日(金)~5月10日(日) 〈後期〉5月12日(火)~5月31日(日)

【会場】 愛知県美術館 (名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター10階) TEL052-971-5511

【休館】 月曜、ただし5月4日(月・祝)開館、5月7日(木)

【開館】 10:00~18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)

【料金】 一般900円 高校・大学生600円 中学生以下無料

【巡回】 東京ステーションギャラリー:2015年9月19日(土)~11月3日(火・祝)

【関連リンク】 『月映』展 公式サイト

 

 


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