東京・駒場の日本民藝館にて、館長・深澤直人が「愛らしい」をテーマに選んだ品々を紹介する展覧会「愛される 民藝のかたち」が開催される。
日本民藝館は、柳宗悦(1889~1961)らが展開した「民藝運動」の本拠として1936年に開設。「民藝品の蒐集や保管」「民藝に関する調査研究」「民藝思想の普及」「展覧会」を主たる活動とし、柳の審美眼により集められた陶磁器・染織品・木漆工品・絵画・金工品・石工品・編組品など、日本をはじめ諸外国の新古工芸品約17,000点を収蔵する。
プロダクトデザイナーとして世界的に活躍する深澤は、2012年に同館第5代館長に就任。その際、蔵の中で収蔵品の一部を見たときに浮かんだ一語が、「かわいらしさ」であったという。今展のステイトメントにおいても「(柳の蒐集の)概念を簡単に一言で言い表すのは容易ではありませんが、あえて誤解を避けられないことを承知で称するとすれば「かわいい」ではないか」と述べ、それは「蒐集の結果から絞り出されたエッセンス」であり、「柳宗悦の「平和思想」や「愛」とも密接に関係しているように思える」と論じている。
出品は、19世紀の羅漢像や朝鮮の白磁杯、石製の鍋など、多様な時代、地域にわたる厳選150余点。果たして深澤の眼差しがとらえた柳の美学とは、「民藝」とは、どのようなものであるのか。ぜひ足を運んで確かめてほしい。
〈関連イベント〉
>記念対談「愛らしい民藝」
日時:4月3日(金) 18:30~20:00
講師:鞍田 崇(明治大学理工学部准教授)
深澤 直人(日本民藝館館長・プロダクトデザイナー)
料金:300円(別途入館料が必要)
定員:100名(要予約)
愛される民藝のかたち 館長 深澤直人がえらぶ
【会期】2015年3月31日(火)~6月21日(日)
【会場】日本民藝館 (東京都目黒区駒場4-3-33)
【TEL】03-3467-4527
【休館】月曜(祝日のときは翌日)
【開館】10:00~17:00 (入館は16:30まで)
【料金】一般1100円 大高生600円 中小生200円
【関連リンク】 日本民藝館