巨匠マイク・リーが贈る珠玉の映像美、ティモシー・スポールの“怪演”が光る
英国最高と称される風景画家J.M.W. ターナー(1775~1851)。その美の世界と謎に包まれた人生を描いた映画『ターナー、光に愛を求めて』が6月20日より公開される。
本作品は、パルムドール、金獅子賞、ゴールデングローブ賞をはじめ、多くの賞に輝くイギリスの巨匠マイク・リー監督の最新作。『秘密と嘘』、『ヴェラ・ドレイク』などで市井の人々の人生に射すひと筋の希望の光を撮り続けたリー監督が、構想12年の執念と情熱で、イギリスが誇る画家ターナーを題材とした伝記映画を作り上げた。
映画の見どころは何と言ってもターナーを演じるティモシー・スポールの“怪演”だろう。『ラストサムライ』や『ハリーポッター』シリーズで知られるこの個性派俳優は、輝かしい画業の裏で謎に満ちた私生活を送った画家の後半生を、繊細かつリアルに演じ切り、カンヌ国際映画祭やニューヨーク映画批評家協会賞など、主要な映画賞で主演男優賞を受賞している。
加えて特筆すべきは、映像の美しさだ。数多くの作品でマイク・リー監督とタッグを組む撮影のディック・ポープは、画家がインスピレーションを求めて旅をした英国の美しい風景を巧みに捉え、まさにターナーの絵画そのものと言える映像を実現。観る者を物語に引き込む光に満ちた映像美は激賞され、こちらはカンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞した。ターナーの複雑な心の動きを情感豊かに表す音楽も効果的である。
「トラファルガーの戦い」や「戦艦テメレール」など数々の傑作を描き、200年の時を経てもなお絶大な人気を誇るイギリスの国民的画家ターナーを、鮮やかに現代に甦らせたマイク・リー監督の手腕は見事。世界各国で大ヒットを記録し、2015年の映画賞レースでも注目の感動作。見逃せない作品である。
あらすじ
19世紀イギリス。若い頃から画家として成功していたターナーは、新たなインスピレーションを求めていつも旅をしていた。そんな彼を助手として支えていた父が病で亡くなると、悲しみから逃れるように訪れた港町で、生き方を変える“ある再会”を果たす。やがて並外れた才能は時代の先を行くようになり、その評価は真っ二つに分かれていくが…。
予告編
【タイトル】映画『ターナー、光に愛を求めて』(原題:Mr. Turner)
【公開】2015年6月20日より全国順次公開
【上映館】Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町 ほか
【上映時間】150分
【監督】マイク・リー
【出演】ティモシー・スポール、ドロシー・アトキンソン、マリオン・ベイリー、ポール・ジェッソン、
■■■■レスリー・マンヴィル
【日本語字幕】古田由紀子
【配給・宣伝】アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル
【宣伝協力】テレザとサニー
【後援】ブリティッシュ・カウンシル、英国政府観光庁
【関連リンク】映画『ターナー、光に愛を求めて』公式サイト