今月15日、第101回光風会展が国立新美術館で開幕した。本年の搬入総数は 784点（絵画 720点、工芸 64点）、うち入選作は509点（絵画 453点、工芸 56点）となった。

■第101回光風会展を迎えて ――寺坂公雄理事長コメント

寺坂公雄理事長

現代の多様化した作品群にどう対処していくか、
どう皆さんを引っ張っていくかがこれからの課題
です。

どの会でも若い出品者が減り、年々平均年齢が上がっている。光風会の創立当時は、太平洋画会と
2団体だった美術団体も今は400存在します。これからは、分裂していくのではなく、統合していく時代なのかもしれません。

欧米に追い付く志があった明治から、政治家のスケールは小さくなり、マスコミは重箱の隅をつつくような報道をするなど、自分が良ければいいという戦後の個人主義的な考えが広がっている。日本社会における美術文化に対するマイナス面が少し見え始めたようで、心配をしています。

絵を描き出品することは個人競技ですが、多くの人が見てくれるから頑張れるというのは、日本人の特性でもあります。助け合うのも日本人の特性です。団体を否定するのではなく、むしろ上手にポジティブに利用してほしいと考えています。光風会展も国立新美術館に会場を移して9年が経ちました。この101回を起点にして、次の100年に向けて変わっていくと思います。

左：会場入口　右：会場風景

各賞の受賞者は以下の通り（敬称略）。

《絵画 受賞者》

[文部科学大臣賞]　児島新太郎（石川県）

[辻 永記念賞]　堀 研一（新潟県）

[田村一男記念賞]　木村 浩（埼玉県）

[庄司榮吉記念賞]　山本英夫（愛媛県）

[パルテノン賞]　佐々波啓子（石川県）

[損保ジャパン日本興亜美術財団賞]　茶谷雄司（埼玉県）

[T氏会員賞]　近藤欣子（茨城県）

[F氏会員賞]　中垣貴子（愛知県）

[光風会会員賞] 　鴨脚えり子（京都府） 橋浦尚美（千葉県）

[光風会会友賞] 　半田豊和（富山県） 平田昌己（栃木県）

[光風賞]　上野留美（岡山県）

[光風奨励賞]　青柳幸子（千葉県）　大森まさ代（石川県）　菊池 彩（愛媛県）
齊藤紀久子（埼玉県）　鈴木里奈（北海道）　髙田 望（富山県）　出来尾裕子（広島県）
松山芳子（石川県）　渡部孝司（広島県）

《工芸 受賞者》

[杉浦非水記念賞]　川瀬和子（三重県）

[光風会会員賞]　細川寛文（山梨県）

[光風会会友賞]　髙林みどり（長野県）

[光風工芸賞]　南 清子（奈良県）

[光風奨励賞]　有馬国雄（群馬県）　宇野克朗（千葉県）　笹子三喜男（千葉県）
西本和枝（新潟県）　渡辺由利子（東京都）

第101回光風会展

【会期】 2015年4月15日(水)～27日(月)
【会場】 国立新美術館（東京都港区六本木7－22－2）　TEL03－5777－8600
【休館】 4月21日(火)
【開館】 10：00～18：00（最終日は15：00まで、入場は閉館の30分前まで）
【料金】 一般700円　大・高校生500円　中学生以下・障がい者手帳持参者および付添者1名まで無料

【巡回】
名古屋展　2015年5月12日(火)～17日(日)　愛知県美術館ギャラリー
広島展　　2015年5月26日(火)～31日(日)　広島県立美術館県民ギャラリー
京都展　　2015年6月23日(火)～28日(日)　京都市美術館

【関連リンク】 一般社団法人光風会