ジャポニスム学会(馬渕明子会長)は4月19日、第3回ジャポニスム学会展覧会賞を「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」「ホイッスラー展」の業績に対して贈呈すると発表した。
「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」は、世田谷美術館(2014年6月18日~9月15日)を皮切りに、京都市美術館(2014年9月30日~11月30日)、名古屋ボストン美術館(2015年1月2日~5月10日)を巡回。ボストン美術館のジャポニスムを紹介する試みが新しかったこと、そしてボストン美術館の企画原案をもとに、モネの「ラ・ジャポネーズ」を追加出品して、その意義を修復の過程とともに紹介する展示など、内容をいっそう充実させ、再構成を試みた点が評価された。
「ホイッスラー展」は、京都国立近代美術館(2014年9月13日~11月16日)と横浜美術館(2014年12月6日~2015年3月1日)を会場に、油彩、水彩、版画など約130点を展示。日本独自の企画で世界各地からの作品借用を試みた点、画家とともに版画家としての革新的な活動をバランスよく展示を実現した点が評価された。
ジャポニスム学会展覧会賞は、前年1月から12月までの間に国内で開催された展覧会の中から、ジャポニスムあるいは日本と海外との文化交流を扱った優れた展覧会を顕彰し、日本文化の国際的な広がりについての研究と理解を促進することを目的とする。原則対象は1展覧会だが、今回は、いずれの展覧会も国内の東西の大美術館によって6か月以上にわたって巡回されるなど、広く「ジャポニスム」のテーマを普及した点で突出して大きな成果を上げ、いわば「ジャポニスム・イヤー」ともいうべき関心の高まりを起こしたとして、同時授賞が決定された。
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