今年で10回目の開催を迎えた中国を代表するアートフェア「芸術北京(Art Beijing)」のディレクターに2016年からアートフェア東京(以下AFT)でプログラム・ディレクターなどを務めた金島隆弘氏が就任することが分かった。
金島氏は1977年東京都生まれ。2002年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了、ノキア社、株式会社東芝、東京画廊+BTAPを経て、08年4月よりZAIMにてFEC(ファーイースト・コンテンポラリーズ)の活動を開始。11年から14年までAFTエグゼクティブ・ディレクター、今年のAFTではプログラム・ディレクターを務めた。
今回の就任に関しては前任のディレクターから直接オファーを受けたといい、「北京での滞在経験、アートフェア東京での5年のディレクター経験を活かし、グローバルな文脈を意識しながらも、アジアローカルのコレクターに満足いただけるアジアならではのフェアを作り上げていきたいと考えています。次回から2名の中国人ディレクターと私との3名体制でアート北京を運営することになりそうで、私はプログラムギャラリーやギャラリーなどのアートに関係する部分を担当する予定です。チーム内に日本人は私一人ですが、若く意識の高いスタッフと共にこれから次の10年を作っていきたいと考えています」と抱負を述べた。
また近年その動向に注目が集まる中国のアートマーケットについては「この2、3年で中国を取り巻くマーケットに大きな変化を感じています」とし、「以前は投資、投機的な側面でお金が動いていた状況が続いていたのですが、最近は資産を持つ富裕層が生活をより豊かにする方法として、またコミュケーションの手段として現代アートを購入したり、積極的に関わりたいという方が増えていると感じています。この状況はしばらく続くと感じており、これから5年~10年の中国の変化は目覚しいものになると思っています。そういった成長期の中で今回アートディレクターにお声がけ頂き、とてもありがたく感じています」と話している。
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