早稲田大学演劇博物館デジタルアーカイブ・コレクションは、今年年2月から試験的に一部公開をしていた3Dデータベースを6月17日に正式公開した。博物資料としては世界でも有数の109点が現在ブラウザ上で閲覧可能となってる。
早大は今回のアーカイブ公開に関して「東日本大震災以降、デジタルアーカイブの役割は資料の保存や地理的制約を越えた資料提供など、様々な立場より重要性を増していますが、立体資料のデジタル化は発展途上にあり課題となっています。平面資料の複写技術を応用し、かつてない高精細な再現性を実現しました」としており、写真測量方式という3D化技術を駆使することにより、3Dデータのみならずテクスチャー(素材の色)も高い精度で再現することが可能となったという。
同データベースでは3Dデータを扱うことで、資料の上下左右を自在に閲覧できるだけでなく、光源の位置や光の色、背景色まで変えることが可能。演劇関連資料を多く収蔵している同館は、舞台などの環境を再現するように、自然光やたいまつの光、どの位置に光源があるのかを任意で決めることで、今まで向きあえなかった発見に出会えるとしている。なお今後はスマートフォン、タブレットに合わせたバージョン作成や3Dプリント出力用のデータ提供(提供時期未定)なども予定されている。
【関連リンク】演劇博物館3Dデータベース