アジア有数の現代美術のコレクターとして知られる宮津大輔氏(1963年生まれ)の映像コレクションを紹介する展覧会『映像表現の現在~宮津大輔コレクションより~』が上野の森美術館で7月18日より開催される。
宮津氏は一般企業に勤めるかたわら1990年代から現代美術の収集を始め、その後アーティストと共同して自宅を建てるなど、いまやアジアでも有数のコレクターの一人。最近は特に映像やメディアアートの将来性に注目し、日本とアジアの映像作品を集中的にコレクションしている。今展では先見性に富む宮津氏の映像コレクションの中から、2000年代に入って発表された日本の4作品を紹介。上映作家4名のうち2名(志賀理江子と森山大道)は映像作家ではなく写真作家だが、この2人にとっては今展上映作品がそれぞれ唯一の映像作品となる。
今回の展示では、こうした映像作家と写真家の視点の違いも比較できるとともに、世代もキャリアも異なる彼らの作品には、言葉や説明がなくとも見る側の身体感覚にシンプルに訴えてくる直接性、現実と作家の眼差しが行き来して、どこか別世界に浮遊するような感覚など、共通する表現も見られる。1人のコレクターによって選ばれた作品を隣り合わせて見せることにより、21世紀の映像表現の進んで行くひとつの方向が垣間見れるだろう。
■上映作品
・志賀理江子 《カナリア》 2010年 10分09秒
・志村信裕 《jewel》 2009年 6分00秒
・高木正勝 《Tidal》 2007年 2分47秒
・森山大道 《25時 shinjuku, 1973》 1973/2006年 16分53秒
【会期】7月18日(土)~28日(火)
【会場】上野の森美術館ギャラリー(東京都台東区上野公園1-2)
【TEL】03-3833-4191
【休館】無休
【開館】10:00 ~ 17:00 (入場は16:30まで)
【料金】一般300円 大高生200円 友の会無料
【関連リンク】上野の森美術館
■志村信裕氏 × 宮津大輔氏 トーク
【日時】7月18日(土) 18:00 ~19:00
【料金】500円 ※1ドリンク付き