永青文庫は今年9月19日に開幕する日本初の「春画展」の詳細を発表した。
5月に開催決定が発表されるやいなや、大きな話題を呼んだ今展。海外からは大英博物館およびデンマークから、また日本の美術館や個人コレクションからは鈴木晴信、月岡雪鼎、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎といった「春画の名品」が前後期合わせて120点展覧されることが決定した。内訳は102点が日本の個人コレクションと美術館秘蔵(国際日本文化研究センター、立命館大学、公益財団法人東洋文庫、三井記念美術館、岡田美術館、林原美術館、永青文庫など)、19点が大英博物館などヨーロッパからの里帰り(大英博物館蔵は5点)で、大英博物館で開催された「Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art(春画 日本美術の性とたのしみ)」との共通作品は67点となる。また会場構成は「プロローグ」、「肉筆の作品」、「版画の傑作」、「豆判の世界」、「エピローグ」の5章構成。
「肉筆の作品」では版画のように印刷された春画ではなく、人の手で線と色が描き出された「肉筆」が38点展覧。浮世絵師の作品だけでなく、徳川将軍や大名家の絵画制作を担った狩野派の作品も紹介される。
また「豆判の世界」では縦9センチほど、横13センチ弱の版型の小さな「豆判」を展覧。配布や携帯に便利なため、当時の人々が様々な場所で見せ合っていた可能性も示唆されている「豆判の世界」を堪能できるという。
【会期】2015年9月19日(土)~12月23日(水・祝)
【会場】永青文庫(東京都文京区目白台1-1-1)
【TEL】03-5777-8600
【休館】月曜、ただし祝日のとき開館
【開館】9:30~20:00(日曜は18:00まで、入館はそれぞれ閉館30分前まで)
【料金】一般1,500円
【入館制限】18歳未満入館禁止
【関連リンク】永青文庫
■講演会「ロンドン春画展の回想と東京春画展への期待」
【日程】9月20日(土)
【会場】ホテル椿山荘東京
【講師】ティモシー・クラーク(大英博物館学芸員)
■講演会「江戸文化と春画」
【日程】10月10日(土)
【会場】和敬塾大講堂
【講師】磯田道史、早川聞多
■記念シンポジウム
【日程】11月28日(土)
【会場】和敬塾大講堂
【講師】小林忠、早川聞多、木下直之、山本ゆかり、石上阿希、三宅秀和
※イベント詳細はともに永青文庫ホームページを確認のこと