今春、東京国立博物館で開催され、約1ヵ月という短い会期ながら20万を超える動員を記録した特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」。国宝の甲・乙・丙・丁4巻をはじめ、現存する全ての鳥獣戯画が一堂に会した画期的な試みであったが、同展ではもう一つ、注目すべき取組みがなされていた。それが、日油株式会社が開発した超低反射フィルム「AirLike®」の導入である。
日油株式会社(本社・東京都渋谷区)は「バイオから宇宙まで」のキャッチコピーで知られ、油化、化成、化薬、ディスプレイ材料、食品など幅広い事業を展開する多角化企業。1998年に貼り合わせるだけで対象を機能化することが可能な「機能性フィルム」の生産を開始し、今日、同商品はディスプレイや自動車、内装建材など幅広い分野に活用されている。
その日油が今年の2月に発表した「AirLike®」は、同社従来品と比べて反射率がおよそ10分の1にまで抑制されており、絵画を保護する前面板が存在しないかのように感じさせる驚きの製品だ。ディスプレイ材料事業部営業部営業グループ主任の西脇裕次郎氏によれば、作品の保護もでき、屋内使用ならば効果は長期にわたり持続可能とのこと。
「材料の屈折率というのは容易く変えられるものではありませんが、当社はケミカルメーカーとしての強みを活かし、特殊材料をフィルム表面に多層コーティングすることでこれを実現しました。作品本来の魅力を鮮明に伝えることが出来るAirLike®を多くの場で使っていただきたい」と西脇氏は話す。展示において、作品をいかに良く見せるのかはいずれの館にとっても大きな課題だ。私たちとしてもより豊かな鑑賞体験を可能とする製品の登場は嬉しい限りである。
現在、日本橋の財団法人油脂工業會館エントランスホールでは「AirLike®」で額装した作品を展示中。“触りたくなるほどに”絵画の魅力を伝えてくれるその効果を実感することが出来る。商品に関する問合わせは油脂製品株式会社まで。
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