東京国立近代美術館は9月、所蔵作品展「MOMATコレクション」にて、所蔵する全ての藤田嗣治作品を一堂に展示する「藤田嗣治、全所蔵作品展示。」を実施する。
2012年のリニューアルより、「何がおこってる」パート1、パート2(2013~2014年)や「誰がためにたたかう?」(2015年)など、豊富なコレクションを活かした質の高い所蔵作品展を実現し、各方面より高い評価を受けてきた同館。今展では、2フロア1500㎡以上を使い、初期の油彩「パリ風景」から「アッツ島玉砕」、「ラ・フォンテーヌ頌」など同館が所蔵する全25点に、京都国立近代美術館が所蔵する「タピスリーの裸婦」を加えた全26点を一堂に紹介する。
戦後、藤田が日本を去る要因となった戦争画は、これまでも同館の所蔵作品展で紹介されているが、全14点が一挙に展示されるのはこれが初めて。また、藤田自身が所蔵していた挿絵本や装丁本に、監督映画「現代日本 子供篇」(1937年、東京国立近代美術館フィルムセンター蔵)といった貴重な資料もあわせて展示されるなど、まさにMOMATだからできる、コレクション展示の常識を超えたコレクション展示と言えるだろう。出品予定作品は以下。
[油彩] 7点+特別出品1点
「パリ風景」(1918年)
「五人の裸婦」(1923年)
「自画像」(1929年)
「猫」(1940年)
「ラ・フォンテーヌ頌」(1949-60年)
「動物宴」(1949-60年)
「少女」(1956年)
「タピスリーの裸婦」(1923年、京都国立近代美術館蔵)
[水彩・素描] 3点
「自画像」(1929年)
「ラパスの老婆」(1932年)
「リオの人々」(1932年)
[映画] 1点
藤田嗣治監督「現代日本 子供篇」(1937年、東京国立近代美術館フィルムセンター蔵)
[戦争画] 14点
「南昌飛行場の焼打」(1938-39年)
「武漢進撃」(1938-40年)
「哈爾哈河畔之戦闘」(1941年)
「十二月八日の真珠湾」(1942年)
「シンガポール最後の日(ブキ・テマ高地)」(1942年)
「アッツ島玉砕」(1943年)
「ソロモン海域に於ける米兵の末路」(1943年)
「○○部隊の死闘−ニューギニア戦線」(1943年)
「血戦ガダルカナル」(1944年)
「神兵の救出到る」(1944年)
「ブキテマの夜戦」(1944年)
「大柿部隊の奮戦」(1944年)
「薫空挺隊敵陣に強行着陸奮戦す」(1945年)
「サイパン島同胞臣節を全うす」(1945年)
[藤田嗣治旧蔵 挿絵本・装丁本]
ミシェル・ヴォケール著 藤田嗣治挿画『平行棒』(1927年)/藤田嗣治著・挿画『日本昔噺』(1923年)/藤田嗣治著・挿画『巴里の横顔』(1929年) 他
東京国立近代美術館所蔵作品展「MOMATコレクション 特集: 藤田嗣治、全所蔵作品展示。」
【会期】2015年9月19日(土)~12月13日(日)
【会場】東京国立近代美術館 3・4F所蔵品ギャラリー(千代田区北の丸公園3-1)
【TEL】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【休館】月曜日(9月21日、10月12日、11月23日は開館)、9月24日(木)、10月13日(火)、11月24日(火)
【開館】10:00~17:00(金曜日は10:00~20:00、入館は閉館30分前まで)
【料金】一般430円 大学生130円 高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳持参者と付添者(1名)は無料。
※無料観覧日:毎月第一日曜日(10月4日、11月1日、12月6日)および11月3日(火・文化の日)
【関連リンク】東京国立近代美術館