内藤礼の存在と作品に迫るドキュメンタリー
「地上に存在していることは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに探求を続けている現代美術作家・内藤礼。その内藤をテーマにしたドキュメンタリー映画「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」の公開日が9月19日(土)に決定した。今作の制作を指揮するのは過去に現代美術家・杉本博司を追ったドキュメンタリー「はじまりの記憶 杉本博司 Memories of Origin」も手がけた(株)テレビマンユニオンの中村佑子。
これまで自らを撮影されることを殆ど拒んで来た内藤礼だが、制作のきっかけついて中村は「内藤礼は、私たち現代の人間が失った感覚を保存している人。豊島美術館《母型》を、内藤礼さんを、そしてたぶんその先にある世界や私の存在のあり方を撮りたいと。内藤さんと初めてお会いしたとき、その想いを告白したと記憶しています。彼女は「映画をつくること」を許してくれました」としている。
取材者が内藤に取材依頼を行うところからはじまる今作。しかし次第に内藤はカメラで写されることに違和感を抱くようになり、「内藤にはカメラを向けずドキュメンタリーを作る」という方向へと転換していく。一方、映画では内藤の代表作豊島美術館<母型>に誘われ、集まった5人の女性たちが登場。2年という長期に渡る内藤とのやり取りを軸に、女性たちの存在が交差していく今作は、幾多の有形無形のものたちが物語を織り成す、フィクションともドキュメンタリーともつかない新しい映像表現となっている。
「女性たち」の物語の基点となり、静謐ながら強靭な存在感を放つのは、モデル、女優として活躍中の谷口蘭。そのほか佐々木靖之(撮影)、タラ・ジェイン・オニール(音楽)、シアター・プロダクツ(衣装)、有山達也(宣伝美術)等、様々な分野の一線で活躍する才能が集結する。
【公開日】2015年9月19日(土)
【劇場】シアター・イメージフォーラム
【上映会】11:00~、21:00の2回
【関連リンク】あえかなる部屋公式サイト
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