特定のスペースを持たずに展覧会を開催するノマドギャラリー「ナオナカムラ」が、福島県いわき市のワタナベ時計店で毒山凡太朗、キュンチョメによる展覧会「今日もきこえる」を開催する。
福島県出身の毒山凡太朗と茨城県出身のキュンチョメ。常磐出身の両作家がリサーチを重ねて作り上げた今展は”この地の空と狂気とウソ”がテーマ。2011年3月11日に発生した東日本大震災から約5年の月日が流れた今、未だ多くの街がバリケードで塞がれ、いわきでは水平線すらまともに見ることができなくなった。そんな中で両作家は、福島の空とその空を愛した洋画家・高村智恵子(1886~1938)に注目。福島県に生まれ育ち、晩年は精神が薄弱して狂人とみなされた画家が最も愛したのは故郷、福島の空だった。
■ステイトメント(一部抜粋)
そんなどうしようもない故郷に帰る事にしたのは、一人の気の狂れた女に導かれたからだった。故郷の有名人、高村智恵子。福島の空だけが本当の空だと言い続けて精神が薄弱して死んでいったあわれな女。そんな智恵子の言葉が福島県安達太良山のてっぺんにかかげられている。「この上の空が本当の空です」
確かに、この空だけは5年前とも変わらないし、千年後だって変わらないだろう。地上のクソみたいな出来事とは関係なく、ここにはほんとうに本当の空があるのかもしれない。
一番信じられない場所で、二度目の明日を見つけよう。このどうしようもない故郷へ、愛を込めて。
毒山凡太朗+キュンチョメ
【会期】2015年9月18日(金)~22日(火)
【会場】福島県いわき市 ワタナベ時計店 3F 「ナオ ナカムラ」(福島県いわき市平字二丁目33-1)
【開場】10:00~19:00
【休廊】無休
【料金】無料
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