横浜美術館は2016 年度に開催される企画展のラインナップを発表した。
次年度、同館では4つの企画展を開催。企業が所蔵する版画作品コレクションと横浜美術館の所蔵作品による展覧会、印象派のアメリカ人女性画家の大回顧展、身体表現がもつ意味を探る現代美術展、そして写真家・篠山紀信の個展が予定されている。詳細は以下のとおり。
■「複製技術時代」の美術作品展(仮題) 2016 年4月23日(土)~6月5日(日)
富士ゼロックス株式会社が所蔵する版画コレクションから西洋と日本の近現代版画作品 200 点と、横浜美術館所蔵の絵画、彫刻、写真等約100点を合わせて展示し、19世紀末から20世紀にかけての美術家たちが、版画や印刷、電子複写などの複製技術をいかなる芸術的意図のもとに用いたかを考察する。富士ゼロックス、横浜美術館双方に共通する作家を中心に、「版画家」と「画家」という分類ではなく、同一作家が絵画や彫刻と並行して複製技術を意識的に用いた事実をクローズアップする。
■メアリー・カサット展 2016年6月25日(土)~9月11日(日)
19世紀後半のパリで活躍したアメリカ出身の印象派の画家、メアリー・カサット(1844~1926)は、エドガー・ドガに才能を見い出され、身近な人々や家庭の情景を主題に独自の画風を確立しました。女性画家のパイオニア、また「母子像の画家」として世界的に高い評価を得ている一方、日本国内では、画業の全貌はあまり知られていない。同展では、油彩、パステル、版画などを厳選し、日本美術からの影響についてもひも解きながら、初期から晩年にいたるまでの画業を約100点で紹介する。
■BODY / PLAY / POLITICS(仮題) 2016年10月1日(土)~12月14日(水)
日本および各国での2000 年以降の映像・写真・インスタレーションなどにおいて、「演じること」と「ドキュメンタリー」の中間、あるいは、現実とフィクションとの狭間、実体あるものと幽霊的なるものの間に置かれた象徴的身体を扱った作品を紹介。身体が作りだす記号的意味が、いかに変容したかという観点から、約10作家の作品を通じて、身体表現の政治性について読み解こうと試みる。
■「篠山紀信展 写真力」 2017年1月上旬~2月下旬
写真家・篠山紀信が、半世紀にわたり撮りつづけた著名人などの人物写真を、「GOD(鬼籍に入られた人々)」「STAR(すべての人々に知られる有名人)」「SPECTACLE(私たちを異次元に連れ出す夢の世界)」「BODY(裸の肉体美とエロスとの闘い)」「ACCIDENTS(東日本大震災で被災された人々の肖像)」という、5つのセクションで構成する展覧会。作家自身の選作により、8メートルを超える作品を含め、写真展の常識を塗り替えるようなスケールで紹介。
※上記展覧会は2015年9月18日時点の予定。今後変更が生じる場合もあり。
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