ロスチャイルド家のレンブラント2点、フランスとオランダが共同購入へ

2015年10月05日 15:03 カテゴリ:最新のニュース

 

 

9月30日にフランス文化省が発表した公式声明によると、フランスのロスチャイルド家が所蔵するレンブラントの肖像画2点は、フランスとオランダが共同購入することで両国が合意した。

 

レンブラントの肖像画の中でも全身を描いた貴重な作品として知られるこの肖像画(「Portrait of Marten Soolmans」「Portrait of Oopjen Coppit, Wife of Marten Soolmans」)は、1877年にフランスのギュスターヴ・ロスチャイルド男爵が購入し、以来フランスで保管されていたが、一般に公開されたのは、1956年、オランダ国立美術館と同国ロッテルダムにあるボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館が共同開催した展覧会の1回のみである。現在の所有者は曾孫にあたるエリック・ロスチャイルド男爵。

 

合意に達するまで、紆余曲折があった。7月、両国の文化大臣はルーヴル美術館とアムステルダム国立美術館がそれぞれ1点を購入し、交替で各館に展示する旨の書簡を所有者に送った。しかし、オランダは9月21日、アムステルダム国立美術館とオランダ政府がそれぞれ8,000万ユーロを拠出して購入することを発表。一方のフランス側も名画の国外流出阻止に向けて動いた。9月24日、仏文化省はフランス中央銀行が用意した8,000万ユーロで2点のうち1点を購入する予定があることを発表する。事態は争奪戦の様相を呈したが、双方の文化大臣が話し合いを続けた結果、最終的に共同購入の運びとなった。

 

共同購入により、両国関係の悪化ばかりでなく、貿易商夫妻の肖像画2点が離れ離れに展示される事態も避けられた。今後2点はヨーロッパ有数の2つの美術館の間を行ったり来たりしながら一緒に展示される。なお、保険、修復、展示などの問題については今後検討される。

 

【関連リンク】アムステルダム国立美術館

【関連ページ】アムステルダム国立美術館、仏ロスチャイルド家からレンブラント2点購入か

 


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