現代カルチャーやSFを絶妙に織り交ぜた武人像や武者絵で、美術ファンのみならず多くの層からの共感を呼んでいる野口哲哉の新作展が、銀座のギャラリー玉英で始まった。
今回の展示で野口は、「別世界旅行」というテーマのもと、旅する人物やその中での出会いや景色などを幻想的なイメージで展開している。これまでは緻密な考証や、シュミレーションを用いた説得力のある作品が主立っていたが、今回は一転、夢物語のような浮遊感のある作家の側面が強調されているようだ。鎧兜を身に着けた男たちは、侍の様にも、まるでおとぎ話の兵隊達の様にも見える。彼らの愉しげで、しかしどこか寂しそうな姿は、現代社会の中でそれぞれが孤独や寂しさを抱えながらも、それなりに楽しく生きてゆく、私たちの姿なのかも知れない。
出品は平面、立体あわせて約20点。会期中10月10日(土)と17日(土)にはアーティスト・トークが実施される。
【名称】野口哲哉ノ作品展「別世界旅行」
【会期】2015年10月5日(月)~24日(土)
【会場】ギャラリー玉英(東京都中央区銀座5-3-12 壹番館ビルディング4階)
【TEL】03-3477-5873
【営業時間】10:30~18:30 ※16日(金)・23日(金)は20:00まで
【休館】日曜・祝日
<関連イベント>
■アーティスト・トーク
【日時】10月10日(土)・17日(土) 各日14:00~
【定員】20名程度 ※定員を上回る場合は当日数回に実施
【関連リンク】ギャラリー玉英