株式会社宝島社が主催する、第14回 『このミステリーがすごい!』大賞の受賞者が決定、2作品が選出された。
『このミステリーがすごい!』大賞は、ミステリー&エンターテインメント作家の発掘・育成を目指す新人賞です。これまで、第153回直木賞受賞者の東山彰良氏や、累計1000万部突破の『チーム・バチスタの栄光』シリーズの海堂尊氏などの作家を輩出してきた。今回、応募総数414作品の中から、1次選考(19作品通過)、2次選考(7作品通過)を経て、大賞に輝いたのは一色さゆり『神の値段』と城山真一『ザ・ブラック・ヴィーナス』。
中でも一色氏(1988年京都府生まれ)は東京藝術大学芸術学科を卒業後、ギャラリー勤務を経て、現在香港中文大学大学院美術学部に在籍するという経歴の持ち主。「30歳までに本の出版を目標に、10代の終わり頃から書いては応募を繰り返していました」という一色氏の今回の受賞作は、人前に姿を見せない前衛芸術家・川田無名と唯一その正体を知るギャラリー経営者の死を巡るミステリーで、「専門知識に彩られた美術関連のディテールには厚みがあり、人物造形を含め、筋の運びも達者」(茶木則雄)、「美術界をめぐるエピソードの数々が興味深く、それらを生かした不可解な謎をめぐるサスペンスとして、秀逸である」(吉野仁)などの選評が寄せられている。
『神の値段』(仮)は2016年2月に書籍化される予定。