大村智氏ノーベル医学・生理学賞に決定 美術界にも大きな貢献

2015年10月07日 13:53 カテゴリ:最新のニュース

 

大村智氏(北里研究所にて=2013年12月16日撮影)

 

10月5日、北里大学特別栄誉教授の大村智氏(80歳)に2015年のノーベル医学・生理学賞が授与されるとスウェーデン・カロリンスカ研究所より発表された。受賞理由は「寄生虫によって引き起こされる感染症の治療の開発」。ノーベル賞授与式は12月10日、ストックホルムにて行われる。

 

大村智氏(おおむら・さとし 1935年7月12日山梨県北巨摩郡神山村=現・韮崎市生まれ)は、58年山梨大学学芸学部卒業後、理科教員として東京都立墨田工業高校定時制に勤務しながら東京理科大学大学院理学研究科に通い63年同大学院修士課程を修了、研究者を目指した。山梨大学助手を経、65年北里研究所に入所。米国留学の後、75年北里大学薬学部教授(~84年)、90年北里研究所所長を務めた(~2008年)。その後、同大学・研究所の要職を歴任し、現在は北里大学特別栄誉教授。

 

その功績は、静岡県のゴルフ場周辺の土から牛や馬、羊などの腸管に寄生する線虫類に効果を示す抗生物質「エバーメクチン」を発見。そして米国製薬会社メルク社との共同研究から分子構造の一部を変更し家畜や犬用の抗寄生虫薬「イベルメクチン」、さらに人間用に「メクチザン」を開発し、それらがアフリカ・中南米の熱帯病で失明や視覚障害を起こす「オンコセルカ症(河川盲目症)」、皮膚が肥大して硬化する「リンパ系フィラリア症」、ダニが原因の皮膚病「疥癬(かいせん)」の特効薬として普及した。それらの服用で毎年約3億人が感染危機から救われ、約4万人が失明を防がれているといわれる。また、微生物由来の新規化学物質を460種以上発見し、基礎・応用研究を推進してきた。

 

主な受賞歴は、85年ヘキスト・ルセル賞(米国微生物学会)、88年上原賞(上原記念生命科学財団)、97年ローベルト・コッホ・ゴールドメダル(独)、2008年レジオンドヌール勲章シュヴァリエ章(仏)、12年文化功労者、14年ガードナー国際保健賞、15年朝日賞(公益財団法人・朝日新聞文化財団)。

 

 

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美術界にも貢献

 


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