2016年4月に開催される「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」の記者発表が10月16日、国立新美術館にて行われた。出席者は青木保同館長、日本経済新聞社文化事業局長の小松潔氏、オルセー美術館絵画部門主任学芸員・本展監修者のシルヴィ・パトリ氏、国立新美術館学芸課アソシエイトフェローの横山由季子氏。
日本経済新聞創刊140周年、オルセー美術館開館30周年を記念して開催される同展は、日本でも人気の画家ピエール・オーギュスト・ルノワール(1841~1919)の全貌を各時代の代表作を含む多様な作品を通じて紹介するもので、最高傑作と名高い《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》が日本初公開となる。
同作は、オルセー美術館コレクションの中核をなす作品としてこれまでなかなか館外に出ることはなかったが、今展開催にあたってオルセー、オランジュリー両美術館の全面的な協力により日本への貸し出しが実現。加えて、マティスが「最高傑作」と称えた最晩年の《浴女たち》も初来日するほか、1883年に対の作品として描かれた《田舎のダンス》と《都会のダンス》が45年ぶりに揃って出品される。《ピアノを弾く少女たち》と《ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》など、オルセー美術館と姉妹館のオランジュリー美術館の共催による、パリでも実現不可能な競演も見どころだ。
出品は、絵画に彫刻やデッサン、パステル、資料など100点を超え、また、ピカソやマティスらルノワールに続く20世紀の巨匠の作品もあわせて展示される。青木館長は「当館では2010年の「ルノワール―伝統と革新」以来のルノワール展となりますが、これだけのものは今後も当分開かれることは無いでしょう。館長としてとても名誉に感じています」と挨拶。パトリ氏も「オルセーとオランジュリーの傑作が揃う、質の高さ、作品の多さという点でもかつて無い特別な展覧会。初期から晩年に至るまで、ルノワールの作品にどのような変化があるのかにも注目してほしい」と語った。
生涯を通じて色彩に満ちた“幸福の画面”を追求し、今なお人々を魅了してやまない印象派の巨匠による珠玉の名作が一堂に。来年度最注目の展覧会である。
【名称】オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展
【会期】2016年4月27日(水)~8月22日(月)
【会場】国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
【TEL】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【休館】火曜、ただし5月3日(火・祝)、8月16日(火)は開館
【開館】10:00~18:00 ※金曜、8月6日(土)、13日(土)、20日(土)は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
【料金】一般1,600円 大学生1,200円 高校生800円 中学生以下無料
※前売り券・2枚1組の早割ペア券(2枚1組2,200円)は2016年1月27日(水)から3月31日(木)まで期間限定販売
【関連リンク】「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」公式サイト