世界35の国と地域から、239軒のギャラリーが参加
アートバーゼルは27日、第4回目の開催となるアートバーゼル香港の詳細を発表した。開催時期を3月に移して2回目の開催となる今回は、世界35カ国・地域、239軒のギャラリーが軒を連ね、20世紀初期の近代から最先端の現代美術作品までの作品群が出品される。
これまで世界各国から参加している強力なギャラリー陣に加えて、今年は28軒もの新規参加ギャラリーが予定。アジア並びにアジア太平洋地域からは、Antenna Space(上海)、日動画廊(東京、名古屋、福岡、軽井沢、笠間、パリ)、Gallery 100(台北)、Ink Studio(北京)、Lawrie Shabibi(ドバイ)、Longmen Art Projects(上海)、MEM(東京)、Vanguard Gallery(上海)、Yeo Workshop(シンガポール)の9軒が初参加となる。
メイン展示となるギャラリーズ(Galleries)セクションには187軒もの近現代ギャラリーが参加、最高レベルの絵画や彫刻ドローイングやインスタレーション、写真、ビデオそしてエディション作品などが展示される。参加ギャラリーはAthr(ジッダ)、Blindspot Gallery (香港), Chambers Fine Art(北京、ニューヨーク)、Gallery Isabelle van den Eynde(ドバイ、 ブリュッセル)、Nanzuka(東京)、Project Fulfill Art Space(台北)、Taro Nasu(東京)、TKG+(台北、北京)、ユミコチバアソシエイツ(東京)など。
アジアにスペースを持つ28のギャラリーによるキュレトリアルプロジェクトが展開されるインサイト(Insights)部門では、個展形式、優れた歴史的素材を使用したもの、そして明確なテーマを持ったグループ展等を予定。オーストラリア、バングラディッシュ、インド、イラン、日本、中国、韓国などの国々のアーティスト作品が展開される。
ハイライトのひとつはマイケル・クック(Michael Cook、1968~オーストラリア)による、植民地時代の歴史を反映したパノラマ物語・8つの大型写真作品と、作家のルーツである Bidjara文化に関するドローイングの展示。またMEM(東京)はこれまで日本以外で発表されたことの無い、三島喜美代(1932~日本)の陶磁器彫刻を出品し、アラタニウラノ(東京)は、福島原発事故の社会的影響へ注意を促す、高嶺格によるパフォーマティブ映像作品を展開するという。
24軒のギャラリーによる新進作家の個展または2人展を展開するディスカバリー(Discoveries)部門では、5軒の初参加ギャラリーを迎える一方で、以前参加していた6軒のギャラリーも復活。
また昨年度初めて開催されたBMWとアートバーゼルのコラボレーションにより新進作家のサポートを試みるプロジェクト、BMW アートジャーニー(BMW Art Journey)では初年度の受賞作家であるサムムソン・ヤング(Samson Young、1979~)によるプロジェクト「For Whom the Bell Tolls: A Journey Into the Sonic History of Conflict」から最初の作品の発表が行われ、第2回目のBMWアートジャーニー候補作家も発表される。
大規模彫刻作品のインスタレーションとパフォーマンスが2つの展示ホールに展開されるエンカウンター(Encounters)セクターでは、シドニーの現代美術施設・アートスペースシドニーのエグゼクティブディレクター、アレクシィー・グラス・カントワー(Alexie Glass-Kantor)が再び同セクションのキュレーションを担当。
そして好評だったフィルムセクションも再び登場する。キュレーションを担当するのは昨年同様、北京とチューリッヒを拠点とするキュレーター、マルチメディアアーティスト、またプロデューサーの李振華(Li Zhenhua)で、3日間に渡るプログラムは会場に隣接した香港アートセンターとのコラボレーションの元実施。今回のプログラムは長編映画やドキュメンタリー映画も含み、初めてフェア会場内にて上映される予定だ。
なおアートバーゼルでは、アジアアートアーカイブ (AAA) やアジアソサイエティ、パラサイトアートスペースやスプリングワークショップ、映像美術の未来型の美術館 M+など、様々な文化機関とのコラボレーションも実施。会期中はフェア会場や香港各所にて関連プログラムの開催も予定し、また108階建ての高層ビルInternational Commerce Centre(ICC)とのコラボレーションの元、国際的に著名なアーティストを招いた光のインスタレーション作品も予定している。
アートバーゼル香港は香港コンベンション& エキシビションセンター(HKCEC)にて、2016年3月24日(木)〜3月26日(土)まで一般公開される。