東京ステーションギャラリーが16年の展覧会ラインナップを発表

2015年11月10日 16:03 カテゴリ:最新のニュース

 

東京・丸の内の東京ステーションギャラリーが2016年の展覧会ラインナップを発表した。2015年末から始まるものを含めると現時点で明らかになっているのは全部で5本。20世紀最高の静物画家とされるジョルジョ・モランディの展覧会や、小説家・川端康成の蒐集家としての顔に迫るものなどが予定されている。詳細は以下の通り。

 

 

■君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。 パリ・リトグラフ工房idemから―現代アーティスト20人の叫びと囁き 2015年12月5日(土)~2016年2月7日(日)

パリ・モンパルナスで100年以上にわたるリトグラフの技術と創作の伝統を受け継ぎ、1990年代からアーティストとの協働を積極的に行っているリトグラフ工房「idem(イデム)」。今展ではフランスのキャロル・ベンザケンやJR、アメリカの映画監督としても知られるデヴィッ ド・リンチ、そして舞台演出家としても活躍中のやなぎみわ等、idemでリトグラフの表現の奥深さに魅せられたアーティスト20名による 約130点を展示。小説家・原田マハの最新刊『ロマンシエ』と連動し、展覧会と小説の横断による「リアル×フィクショ ン」の新しい感覚、そして現代アーティストがリトグラフに見出した新たな可能性を提示する。

 

■ジョルジョ・モランディ展 終わりなき変奏 2016年2月20日(土)~4月10日(日)

20世紀を代表する静物画家、ジョルジョ・モランディ(1890~1964)の個展。今展は、気品あるモランディの作品とともに、画家最大の特徴であるヴァリ エーション=変奏に焦点を当てる。モランディは、故郷のボロー ニャを終生離れることなく、静物もしくは風景という限定された主題 にひたすら専心したことで知られており、同じ瓶や壷を果てしなく組み換えることで、構図や色調のわずかに異なる無数の表現 を生み出した。ボローニャのモランディ美術館の全面的な協力の もとに集まった油彩画60点を中心とする約100点を展示。

 

■川端康成コレクション 伝統とモダニズム 2016年4月23日(土)~6月19日(日)

日本を代表する小説家・川端康成は、美術品の蒐集家としても知られている。縄文時代の土偶にはじまり、浦上玉堂の《凍雲篩雪図》(国宝)や、池大雅と与謝蕪村の《十便十宜図》(国宝)などの近世絵画、黒田辰秋や加藤唐九郎らの工芸品に到るコレクションは、伝統的な美に対する川端の審美眼を物語っている。川端はまたモダニズムの芸術に対しても深い理解を示し、ロダンの彫刻やピカソのデッサンはもとより、古賀春江や草間彌生などの作品を早い時期から蒐集していた。今展は、伝統とモダニズムの双方にまたがる川端の蒐集品を軸に、文学作品の展開や文学者たちとの交流も視野に入れ、その深淵な美の世界に分け入ろうとするもの。

 

■(展覧会タイトル未詳) 2016年7月2日(土)~9月4日(日)

海外の美術コレクションから現代アート作品を紹介予定。詳細は12月に発表される。

 

■花開く大正洋画とヨーロッパの美術―ペール・北山の仕事を手がかりに―(仮称) 2016年9月17日(土)~11月6日(日)

青年画家達の活動を裏方から支え、近代洋画の発展に寄与した、北山清太郎(和歌山県出身、1888~1945)は、パリでゴッホら多くの若い画家たちを支援した画商のペール・タンギーになぞらえてペール・北山と呼ばれた。岸田劉生や木村荘八ら大正初期の若手洋画家たちの活動を支援し、展覧会の開催やカタログ出版などにかかわ り、1912年より編集刊行した『現代の洋画』では印象派や20世紀アヴァンギャルド美術を紹介し、画家たちの創作意欲を触発した。今展では、北山の活動を手掛かりとして、大正期の西洋美術に対する熱狂、影響を受け展開した前衛的な近代日本美術の動向を同時に紹介。また北山が手掛けた大正初期のアニメも紹介される。

 

 

 

 


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