2016年3月に東京国立博物館 平成館で開催される特別展「生誕150年 黒田清輝―日本近代絵画の巨匠」の報道発表会が11月17日、同館大講堂にて開催された。
本展は、フランス留学を通じてアカデミズムから印象派まで多様なフランス絵画を吸収し、帰国後は日本美術の近代化のために力を尽くした洋画家・黒田清輝(1866~1924)の生誕150年を記念するもので、国立博物館では初の大規模な回顧展となる。
展覧会には、東京国立博物館の所蔵品に加え、国内外27の機関および個人コレクションから、総数約240件におよぶ作品が集結。フランス留学時代に描いた「読書」「婦人像(厨房)」から、帰国後の「舞妓」「智・感・情」、絶筆となった「梅林」まで、黒田の各時代の代表作とともに、師ラファエル・コランやジャン=フランソワ・ミレーなど、フランスで出会い導かれた作品を展示することで、絵筆で明治の日本を切り開いた黒田清輝の画業とその生涯を展観する。
同館の松本伸之副館長は「当館とも非常に縁の深い黒田清輝の回顧展を開催できることは大きな喜びです。彼の画業、生き様、そして日本の近代が歩んだ道のりを改めて広く紹介し、日本の近代美術・近代国家を見直す機会になれば」と挨拶。また、東京大学教授で本展のゲストキュレーターを務める三浦篤氏は「黒田の作品とコランやミレーらの作品があわせて展示されることで、当時のフランス絵画の文脈の中で、彼が何をしようとしたのかを検証できる大変良い機会。日本における黒田清輝というよりも、世界における黒田清輝を見直す機会になる」と紹介した。
会期は2016年3月23日から5月15日まで。前売券は2016年1月23日より販売開始。また、開幕から2週間(3月23日~4月5日)の期間限定で、1,500円で2名が入場できるお得な「お花見チケット」が販売される(枚数限定 第1弾発売日は1月23日)。同館恒例「春の庭園開放」とあわせて楽しんでほしい。
【会期】2016年3月23日(水)~5月15日(日)
【会場】東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
【TEL】03‐5777-8600(ハローダイヤル)
【休館】月曜 ※ただし3月28日(月)、4月4日(月)、5月2日(月)は開館
【開館】9:30~17:00 ※金曜日は20:00、土・日、祝日は18:00まで(入館は閉館の30分前まで)
【料金】一般1,600円 大学生1,200円 高校生900円 中学生以下無料
※前売券は、2016年1月23日(土)から3月22日(火)まで販売
【関連リンク】特別展「生誕150年 黒田清輝 ―日本近代絵画の巨匠」公式サイト