11月場所で自身7度目の幕内最高優勝を果たした横綱・日馬富士の絵画展が、23日、東京・銀座の日動画廊で始まった。モンゴル出身で各地のアートフェアにも出品する画家Zayaとの2人展である。
美術学校に通い、15歳で個展を開いた経験を持つ日馬富士は、関取として活躍を続ける一方で現在も油絵を趣味として続けており、大関昇進後は富士山を中心に描いているという。制作は主に取組で負けた日や休場中など「悲しいとき、苦しいとき」に行っており、「春」「夏」「秋」「冬」や「おはようございます」「おつかれさまです」「おやすみなさい」などの言葉からイメージする色を、アクリルや油絵具を用いて鮮やかにキャンバスに表している。23日のプレス特別発表会では「まさか自分が絵画展を開くなんて夢にも思わなかった。ご縁があって、日動画廊さんで開けることを嬉しく思います」と喜びを語った。
また、日馬富士が2014年の個展で作品に一目ぼれしたというZaya氏は、1975年にモンゴル南西部のゴビ砂漠にある小さな村に生まれ、2002年にモンゴル文化芸術大学を卒業。現在は日本を拠点に、モンゴル伝統文化と現代アジア美術の融合をテーマに、様々な素材を駆使し、独特の質感と色彩の温かな作品で世界各国のアートフェアなどで活躍している。出品は100号の大作をはじめ50号3点の連作含む20余点。
今展開催の経緯について日動画廊の長谷川徳七社長は「当初は『日動画廊でやりたい』とお話しいただいたのですが、お断りしていました。大変失礼ですが、私どもは素人の方の展覧会はこの88年間でやったことがありません。しかし、モンゴルと日本の友好のため、そしてモンゴルのプロの画家も連れてくると横綱が熱心に仰るので、とにかく絵を拝見しようと。そうしましたら、非常に真面目に取り組まれていて、色使いもなかなか面白い。てらいもなく、心がこもっている。これであればということで、私どものところで展覧会を開かせていただこうと決めました」と述べている。
なお、収益はすべて、モンゴルの心臓病の子供たちの医療支援NPO「ハートセービングプロジェクト」に寄付される。12月27日(日)まで。
【展覧会名】「Two world」日馬富士&Zaya展
【会期】2015年12月23日(水)~27日(日)
【会場】日動画廊 本店(東京都中央区銀座5-3-16)
【開廊】24・25日10:00~19:00/26・27日11:00~18:00
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