全日本空輸株式会社は29日、訪日外国人向けのプロモーションメディア「IS JAPAN COOL?」において、「アート」をテーマとしたバーチャル美術館プロジェクト「IJC MUSEUM」を公開した。
訪日観光の目的としての「アート」の需要が重要性を増す中、海外の人々に向け、日本が誇るアートの魅力を知ってもらうことを目的にローンチされた今回の美術館「IJC MUSEUM」は、日本を代表する現代アーティストを集め、最新テクノロジーを活用してその作品を仮想空間上に再現した、アートとテクノロジーを融合した実験的なプロジェクト。
360°のパノラマ視点で見渡すことのできる展示空間は、実際に建築家の監修の元に設計され、まるで本当の美術館を訪れているかのようなリアリティを提供。 アーティストの作品において、あるものでは最新鋭の機器を用いて3Dスキャンされ、 縦横無尽に自由な角度で鑑賞でき、またあるものでは超高精細な画像データと して、実際に近づいて見る以上に細部まで拡大して鑑賞可能となっている。また3DCGによって、今は幻となったインスタレーションさえもデジタル空間上に再構築する、美術をアーカイブするという学術的意義をもった取り組みでもある。
今回この「IJC MUSEUM」を彩るのは、草間彌生、天明屋尚、 Nerhol、束芋、小畑多丘、名和晃平、池田学など日本を代表する総勢7組のアーティストたち。日本国内のみならず、国際的に活躍する彼らの作品の中でも選りすぐりの作品が集結しており、中には日本初の展示となる大規模な立体作品や、再制作は困難とされる幻のインスタレーションなど、一堂に集まることが非常に稀なシリーズ作品が含ま れる。バーチャルミュージアムだからこそ、従来の美術館では不可能とも言える展示を実現することが可能となった。
観光庁の調査によると、訪日に期待していることとして「博物館・美術館」と回答した人は12.7%で全体の12位にランクインしていおり、また「外国人観光客への満足度調査」によると、「今回したこと」のうち「美術館、博物館」へ訪れた観光客は全体の19.8%で第10位。「満足度」は82.9%に達しているという。