昨年の「日産アートアワード2015」でグランプリを受賞、また今年の「六本木クロッシング2016」(森美術館)にも参加するなど精力的に活動を続ける毛利悠子(1980年生まれ)が恵比寿のwaitingroomでは3年ぶりとなる個展『Pleated Image』を開催する。
日用品やジャンクと機械部品を再構成した立体物を展示環境に寄り添わせることで、磁力や重力、光、温度など、目に見えない力をセンシングするインスタレーション作品を制作してきた毛利。今展では2月26日から3月27日まで名古屋のMinatomachi POTLUCK BUILDINGで開催された展覧会『THE BEGINNINGS (or Open-Ended)』(第2期)で発表した、スキャナーとスキャニングされた画像を軸にした新作インスタレーションをさらにブラッシュアップさせて展示する。
複数のスキャナー上に設置され、独自の装置によって動かされるのはリボン・毛ばたき・ロープ・蝶のおもちゃ・コイン・LEDライトなど、これまで毛利作品に登場してきたおなじみのオブジェたち。このオブジェの動きは、それぞれのスキャナーによって継続的にスキャニングされ、画像データがハードディスクに続々と保存されていく。スキャナーが動いているかぎり半永久的に増えつづける像のあり方は、直線的に時間が進む動画(ムービー)とは違ったかたちで、運動や時間を含むものとなるという。
機械の誤作動や光や風、磁力といった自然現象が作る「ぶれ」や「揺らぎ」に興味を持ち、さまざまな作品を制作してきた毛利が、膨大な「ひだ状のイメージ」によって、これまでの作品に存在してきた“気配”を「ヴィジュアル・イメージ」として提示する。
【会期】2016年4月9日(土)〜5月15日(日)
【会場】waitingroom(東京都渋谷区恵比寿西2-8-11 渋谷百貨ビル4B)
【開廊】月曜=17:00~23:00、金・土・日曜=13:00~19:00
【料金】無料
【関連リンク】waitingroom
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