平成27年度(第66回)芸術選奨文部科学大臣賞に村上隆氏ら決まる

2016年03月09日 18:25 カテゴリ:最新のニュース

 

「村上隆の五百羅漢図展」が評価

 

 

文化庁は3月9日、美術・音楽など芸術11部門において優れた業績を挙げた、または新生面を開いた人物に対して贈る平成27年度(第66回)の芸術選奨文部科学大臣賞19名と同新人賞11名の受賞者を発表、美術関係では森美術館で国内14年ぶりとなる大規模個展「村上隆の五百羅漢図展」を開催した村上隆氏らが選ばれた。

 

128日間にわたって開催され、延べ31万人の来場者を記録した「村上隆の五百羅漢図展」。文化庁はその贈賞理由を「特に東日本大震災を契機に制作された「五百羅漢図」は、横100メートル、縦3メートルという桁外れの規模と完成度に圧倒される記念碑的な作品である。オタクカルチャーやキャラクターを明治以前の日本美術と接続した独自の概念「スーパーフラット」を果敢に展開してきた村上隆氏の新境地であると同時に、日本の文化や歴史を根源的に俯瞰する、かつてない道標を示した」としている。

 

なお同氏は現在横浜美術館で自身の膨大なコレクションを展覧する「村上隆のスーパーフラット・コレクション」(~4月3日)を開催しており、こちらも大きな話題を集めている。

 

また「美術」では美濃の「やきもの」の伝統を学びつつ陶芸家としての研鑽を積み、曜変天目の再現を志してきた林恭介氏が同じく大臣賞を受賞。このほか「芸術振興」では六本木アートナイトの芸術監督を3年連続して務めた日比野克彦氏が、「評論等」では日本中世美術史のパフォーマティヴな解読を追究してきた亀井若菜氏が大臣賞を受賞している。

 

なお今回「美術」で選考審査員及び推薦委員から候補者として挙げられたのは文部科学大臣賞17名、文部科学大臣新人賞16名。審査員を務めたのは遠藤彰子、尾﨑正明、金子賢治、栗生明、島敦彦、島谷弘幸、須藤玲子、新見隆、福永治、松本透の各氏。推薦委員は五十嵐卓、大橋修一、小川敦生、加藤弘子、楠見清、清水美三子、外舘和子、内藤廣、中ハシ克シゲ、橋本優子、水野学、南雄介、森仁史、安來正博、山崎剛、山本和弘、山本直彰の各氏が務めた。

 

 


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