淡くも華やかな金の煌めき―
伝統技法の金襴手を昇華させ、独自の金襴手彩色技法による新たな九谷焼を表現する吉田幸央(1960年石川県小松市生まれ、日本工芸会正会員)が横浜タカシマヤで個展を開催する。
父は「釉裏金彩」の技法で広く知られる人間国宝の吉田美統。金沢美術工芸大学、九谷焼技術研修所で学び、現在は百年の歴史を重ねる錦山窯の四代目として活動を続けている。これまで92年と09年の伝統九谷焼工芸展で大賞、94年の高岡クラフト展で金賞を受賞。10年の第57回 日本伝統工芸展では高松宮記念賞を受賞するなど、高い評価を受ける。
華麗な色絵のイメージが強い九谷焼にあって、その作品は塗り重ねた色彩と柔らかく輝く金箔の意匠により、パステル画のような柔和な趣きを感じさせる。格子染めのような色絵や金箔をちりばめたもの、釉薬を器にわざとはじかせた水のような景色、素地を叩いて微妙な凹凸をつけ手触りにこだわりを見せた作品など、伝統的な技法や意匠を再解釈し現代に甦らせた陶筥や花器、鉢など、新作を中心とした約80点の展観となる。
【会期】2016年3月30日(水)~4月5日(火)
【会場】横浜タカシマヤ 7階美術画廊(横浜市西区南幸1-6-31)
【TEL】045-311-5111
【休廊】会期中無休
【料金】無料